ダンゴムシとのあれこれ
■Armadillidium vulgare
どうも。
かれこれ一ヵ月以上も電車に乗っていないヒョードーです。
突然ですが、先輩方は田舎暮らしと聞いてどういったイメージを持たれるでしょうか。
時間に囚われないのんびりした生活、自然が豊か、食べ物が美味しいというロハス(使ってみたかった♡)なイメージ。
確かにその通りで、景色や空気はきれいだし、野菜やお魚のおすそ分けをいただけたりとか、知らない人でもすれ違った時には挨拶をするなど人とのふれあいが都会よりも多いです。
東京から今治の大島に来て1ヶ月以上が経ちました。
地域おこし協力隊や島での生活など書きたいことや書くべきことはたくさんあります
ですが。
まず。
ともかく。
とにかく。
何はともあれ。
コイツについて書きたいと思います。
皆さんご存じの学名Armadillidium vulgareについてです。
Armadillidium vulgareはですね…。
え? 何それ?
はぁ…。
Armadillidium vulgareですよ! Armadillidium vulgare!!
もう困った人ですね。
そう。
Armadillidium vulgare、ダンゴムシです。
俗称でマルムシとか言いますね。
知ってますよね、ダンゴムシ。
念のため、私が描いた絵もつけときますね。
■コイツですコイツ。あー気持ち悪い。
私の住居は今治市に用意していただいた鉄筋のアパートの1階なのですが、玄関のドアを開けて外に出るまでが、長さ3mほどのコンクリートのスロープになっています。
ここにですねぇ。
なんとですねぇ。
恐ろしいことにですねぇ。
大量発生したダンゴムシが押し寄せてくるのです。
毎日!
子供の頃は大阪の阪南市っていう田舎に住んでいたので(私が住んでいた時は市ではなく町でした)、ダンゴムシなんてのはそこら中にいて、もちろん見慣れたものでした。
しかし東京暮らしが長かったこともあり、今やすっかりシティーボーイのイケメンになってしまい、虫を見ること自体が稀だったので、とにかく虫がおっかないのです。
で、日によって彼らが襲撃してくる数はまちまちなのですが、ある日の朝は、玄関のドアを開けると彼らが凄まじい数で蠢いていて、思わず「キャッ!」と悲鳴を上げそうになりました。
幅1mのスロープがまるで、天の川の星々のようにダンゴムシが瞬いているのです。
まさかダンゴムシに宇宙を感じる日がこようとは。
人生何が起こるか分かりませんね。
■作戦
彼らは何を求めてスロープをわさわさと上がってくるのかは分かりませんが、おぞましいということ以外は特に害はないのです。
ただただおぞましい。
こちら側の対応としては、
①無視
②殺虫剤を撒く
③どいてもらう
といったところでしょうか。
一つひとつ検証していきましょう。
まず①の無視ですが、
無視をするということは、彼らを居ないものとするので、見て見ぬふりをして構わず歩くことになります。
じろじろ見たら無視になりませんからね。
ただ、生きる上で何が辛いかというと、やはり人から無視されることほど辛いことはないのではないでしょうか。
もちろん無視なので、彼らを避けて歩いてはいけません。
彼らはその存在を無いものとされた挙句、私の靴底でプチプチと小気味いい音を発しながら潰されて死んでいくのです。
こうして彼らを精神的にも身体的にも追い詰めていきます。
これでは、いくら何でも彼らが気の毒です。
更にこちらも靴底に彼らの体液がみっちりと付着することになります。
どこの世界にダンゴムシの体液まみれの男と一緒に働きたいと思うでしょうか。
もちろん家に帰ってきた時に彼らの薄気味悪い体液を付けたまま玄関に入りたくはありません。
ということで、彼らにも私にも利益はないので①は却下。
②の殺虫剤を撒くですが、どうやら同じ階の住民の方が、既にご自身の玄関前に散布しているようなのです。
引っ越し当時は何の粉なのかなあと不思議に思ったのですが、きっと業を煮やして殺すことを選んだのでしょう。
これによりその方の玄関前は常にダンゴムシの死骸の宇宙が広がっています。
彼らはお亡くなりになってカサカサに乾燥しているので、もしも踏んだとしても恐らく妙な体液は出てこなさそうです。
これならアリかもしれません。
ですが、彼らの為に自費を投じて殺虫剤を購入し、玄関前が粉まみれになるのも考えものです。
ですので、②は最終手段としておきましょう。
というこで、現在は③のどいてもらうを実行しています。
住居の前に共用の箒とちり取りがあります。
なので、とにかく掃く!
スロープを通る度に掃く!
狂ったようにしゃにむに掃きまくる!
■闘いの日々
そんなこんなで、私の一日はダンゴムシとの闘いからスタートします。
今では彼らを箒で掃くことはすっかりルーチンとなり、彼らの数が少ない日などは何だか物足りない気分になり寂しささえ感じます。
都合の良いことに彼らは刺激を受けるとその名の通りダンゴのように丸まるので、
箒で掃くとコロコロと陽気に転がっていくのです。
掃いても掃いてもスロープを上ってくる彼らは、あろうことか丸まって私に箒で掃かれることを心待ちにしているふしさえあります。
もしかするとダンゴムシ界では、新しいアクティビティとしてクチコミが広がっているのかもしれません。
箒で掃いていると、稀に丸まり損ねてひっくり返りジタバタするという、ダンゴムシにあるまじき失態を起こす不届き者もいます。
ダンゴムシというアイデンティティを放棄した彼らは、14本あるという足を半狂乱になってわしゃわしゃと動かして、世にもおぞましい姿を晒すこととなるのですが、こっちはそんなことはお構いなしに掃きまくります。
私も暇なようでそれなりに忙しいのですよ。
今の勤務場所と自宅は、自転車で5分ほどなので、お昼の休憩は、自宅に帰ってのんびりとご飯を食べています(最高)。
もちろん自宅に到着した際も玄関に入る前にため息をつきながらスロープのダンゴムシを箒で一掃し、「やれやれ」と部屋で休憩をとるのです。
そして、「さあ午後からまたがんばろう!」と玄関を出たら、あろうことかもう彼らが団体で機嫌よく行進してやがるではありませんか。
さっき掃いてから40分くらいしか経ってないというのに。
「エヘ♪ また来ちゃった」
「ノー! ステイホーム!」
心の中でダンゴムシと会話をし、また箒でお外に追いやります。
まったくもう。
とはいえ、実はダンゴムシぐらいで済んでいるので、私なんてぜんぜんマシな方なのです。
家の裏が山とかだとムカデやネズミなんてのが出没するらしいです。
夜ふと目を覚ますとムカデが太ももを這っていたそうですよ。
■正体
そう思うとダンゴムシなんて本当に可愛いものです。
が、ネットで調べてみるととんでもない事実が発覚しました。
甲殻類!?
なんということでしょう。
甲殻類ということは、私の大好きなエビやカニの仲間だということです。
そして恐ろしいことに毒などを持たない彼らは、こともあろうに災害時の非常食となるというではありませんか!
旨いのかお前は!
先輩、災害時にはウチに来たら安心ッス!
塩で煎ってやりましょう!
押忍!
■闘いは続く
本来、ここまででこの記事は終わる予定だったのですが、さっき外にでたら我が家の玄関前でビッグバンが起こっていました。
どうしようか悩みましたが、彼らの写真を載せてみます(不評なら外しますので言ってくださいね)。
まだまだ闘いはつづきます。