鯛の煮つけで注意すること
■出会い
愛媛県といえば、鯛が有名ですね。
松山のご飯と一緒に炊き上げるのと宇和島の鯛の刺身とタレと玉子を絡める、二種類の鯛めしが有名ですね。
どちらも美味しいです。
とても。
ですので、スーパーにはよく鯛が並んでいます。
しかも安い。
そして、先日4割引きになっている鯛を発見しました。
元値が900円だから税込みにしても…えー…と…ご、594円です!
しかも安いだけでなくデカい。
デカいというだけでテンションが上がりますね。
大阪人なので、デカくて安いは美徳です。
しかも内臓やウロコの下処理も済んでいるなんて素晴らしいにもほどがあります。
しかし、私も大人です。
手を伸ばしかけましたが、即決はいたしません。
一度、肉コーナーや惣菜コーナーをまわってみて、晩ご飯のメニューが決まらなかったら、今一度、鯛を検討しようではありませんか。
その間に鯛が売れてしまっていたら縁がなかったということです。
私は594円となってしまった鯛に軽く頷き、さよならとアイコンタクトをして、その場を後にしました。
しかし、そもそもそのスーパーはかなり安いお店なので、当然お肉も安いのです。
セコい私の買い物カゴには安い食材がつぎつぎと放り込まれていきます。
しかし私の頭の中には先ほど寂しそうに私を見送ったあの鯛の顔がこびりついて離れません。
スーパーの通路で立ち止まって、買い物カゴの豚肩ロースとしばらく無言で睨み合いが続きます。
豚肩ロースが目をそらしました。
バカめ。
冷凍にしてくれるわ。
踵を返して594円の鯛の元へ小走りで駆け付けます。
子供にいたずらされてはいまいか。
訳の分からない奴に連れていかれてはいまいか。
笑顔であいさつしたのに無視されていないか。
ネガティブな考えが不安を煽ります。
・・・。
・・・いた!
手に取ると鯛様はまるで死んだ魚のような目で私をじっと見つめてきました。
悪かった!
最初から君を選んでいれば良かったよ。
黒目がちの瞳とずっしりとした重さにちょっとビビりましたが、もう迷うことなく鯛様を買い物カゴに入れました。
■いざ調理
さて。
そうはいっても4割引きの鯛なので、刺身はイマイチでしょう(捌けないけど)。
しかも買って満足しているので、手の込んだことはする気になれません。
ということで、選択肢は一択です。
そう。
煮つけです。
下処理は済んでいるので、醤油やら酒やら砂糖やらと一緒にただ煮るだけです。
超簡単。
■大きさ比較でペットボトルを置いてみました。
本当は鍋で煮たいのですが、もちろんそんなデカい鍋はないので、仕方なく深めのフライパンで煮ることにします。
が、なんということでしょう。
あろうことか、フライパンでも入りきらないではありませんか。
■これでは味が染みません。
こうなると必要以上にデカい鯛にイラついてきます。
デカけりゃ良いってものじゃないのですよ。
考えりゃ分かるでしょうが。
まったくもう。
■もうどうしようもないので、落し蓋代わりにアルミを被せて調理を続けます。
口やら尾っぽだけが出てると何ともおっかないというかエグいですね。
嫌がらせでしょうか。
しばらく煮込んで、恐る恐るアルミを取ってみます。
■やっぱりや!
やっぱりぜんぜん表側に色が付いていないやないか!
くそう。
これでは、ぜんぜん味がなくて美味しくないに決まっています。
こうなったら勇気を振り絞ってひっくり返すしかありません。
決して鯛をひっくり返す予定で購入したのではないフライ返しと箸を使い、気合とともにひっくり返してやりました。
■大失敗。
ひとつ前の写真と見比べて、ぜひ不器用な私を嗤ってください。
そしてしばらく煮て、ようやく完成しました。
■実食
■当然、フライパンよりもデカい皿なんてウチにはないし、面倒くさいのでもうフライパンのまま食べることにしました。
それにしてもいざ料理して食べるとなると、見ているだけでお腹いっぱいになります。
あんなにノリノリで買ったのに小さくため息をついて、いざ実食です。
美味い。
しかし美味しいことは美味しいのですが、やっぱりイマイチ味が染みていません。
そして楽勝で食べきれると思って購入したのですが、当然ながらこんなの食べきれるはずもなく、半分しか食べれませんでした。
48歳の胃腸のくたびれ具合をナメていましたね。
とりあえず身をほぐしてお皿に移して、骨はその日のうちに捨てました。
結論。
表題にもあった鯛の煮つけで注意することは、
デカすぎには気をつけろ、です。
鯛は美味しいのですが、量が多すぎるとうんざりします。
ごちそうさまでした。