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夏野菜が美味しい季節になってきましたね。
ようやくカメムシの呪いが解けたヒョードーです。
実はもともと野菜はそんなに好きではなかったのですが(今さら!)、スーパーで安く買えるのでよく買うようになったし、自分で作ったりしているとだんだんと野菜が好きになってきました。
■そのうち、ぬいぐるみのようにベッドにもぎたての茄子とか枝豆とかを笑いながら並べだすかもしれません。
かわいらしいですね。
そんな野菜大好きっ子の私に、地元の方から「持ってけ」と、採れたての野菜をいただきました。
本当にありがたい。
多謝。
■いただいたトマトとトウモロコシと枝豆。
この柿みたいなトマトは、恐らく桃太郎ゴールドとかいうトマトだと思われます。
それにしても素晴らしい出来ですね。
果たして、ウチのトマトや枝豆ちゃん達も、かようにしっかりと実るのでしょうか。
ということで、せっかくいただいたのでさっそく調理します。
イエーイ!
まずは枝豆。
枝付きのは初めてなので、ネットで調べました。
ところで奥さん、知ってました?
枝豆って超毛深いのですよ。
これを洗ってから塩で揉んでいると毛も多少抜けて、茹でると居酒屋でお通しで出てくる感じの艶やかな枝豆になっていきます。
何事もイチからやってみないと分からないものですね。
そして、トウモロコシ。
もちろん皮つきのトウモロコシなんて触ったことすらありません。
しかしね、奥さん。
なんとこれですね、皮つきのまま電子レンジでチンすれば良いっていうではありませんか。
サイコー。
ということで、さっそく電子レンジに放り込んで、5分ほど加熱しました。
超楽ですね。
■電子レンジで加熱後のトウモロコシ。
見た目に変化はなし。
ただし、激熱。
激熱のトウモロコシの皮を剥いていきます。
そして、ふと気づくと2cmほどの白っぽい細長い物体が2~3個、俎板に落ちているのです。
「ん? なんだコレ?」
絶賛老眼進行中のため、メガネを額にずり上げて、白い物体に顔と近づけてよく見てみます。
するとなんとですね、奥さん。
こともあろうに謎の白い物体は、電子レンジでホッカホカに熱せられた何かの幼虫だったのです。
「ギャーッ!」
と叫んで、錯乱しながらもソッコーでキッチンペーパーで掴んで、潰して、ゴミ箱に打ち捨ててやりました。
「ハァハァ・・・」
しばらく動悸が治まりませんでしたが、冷静になるとまぁそういうこともあるか、と考え至りました。
もうですね。
当然ながら畑や山なんて虫だらけなのですよ。
言うなれば虫王国ですよ。
・・・いや、違うな。
なんですか、虫王国って。
え? 知らない?
僕も知りませんよ!
えーと。
とにかく。
そりゃ甘いトウモロコシなんて、虫も喰いつくに決まっています。
私が、薄気味悪い白く細長い何かの幼虫だったとしても、甘いトウモロコシに奇声を上げて喰らいつきますよ。
それにしても薄気味悪い白く細長い何かの幼虫には気の毒な事をしました。
どうか貴兄らも薄気味悪い白く細長い何かの幼虫の気分になっていただきたい。
生まれてきた喜びを噛みしめながら、楽しくトウモロコシの皮の間で友達と遊んでいたら、生きたまま電子レンジに入れられ、体中の水分が振動し、摩擦熱で沸騰し、チーンと最期を迎えるのです。
しかもまだ成虫になってもいない、子供なのです。
彼らは沸騰しながら同じく熱せられる友達をどのような気持ちで見たでしょうか。
考え得る限り最悪な最期です。
本当にすまんかった・・・。
合掌。
しかし、スーパーに並んでいる野菜も本当はこんな感じに虫がついているのですよ。
ただ、陳列前にキレイにされているだけなのです。
頭では分かっていましたが、これが自然というか、本来の姿なのですね。
結論。
野菜には蟲どもがやってきます。
必ず。
ということで、虫のことなんて忘れて、トウモロコシの皮を剥き続けました。
男らしくて格好良いですね。
ファンレターはコメントかお問い合わせからお願いしますね。
■皮を剥ききると、しっとりとお風呂あがりみたいでした。
さて、次は実を取らなくてはなりません。
そのまま噛りついても良いのですが、歯につまりそうだし、上品な都会育ちなので、実は前もって取ることにしました。
ネットで、バターナイフで簡単にこそげ落せるとナイスな情報をゲット。
さっそくやってみましたが、なんとまったくキレイに取れず。
半ギレになりながら、スプーンでも試してみましたが、結局最後は包丁で切って落としました。
もう。
■そして、収穫した茄子は豚肉と生姜焼きにして完成。
結果、ただ単に切っただけの桃太郎ゴールドが一番美味しそうという結果に。
料理下手な私でも新鮮な野菜を使えば、美味しくいただくことが出来ました。
感謝。
野菜サイコー。
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初めての家庭菜園 -逆襲、そして絶望ー
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地域おこし協力隊改めカメムシハンターとなったヒョードーです。
■カメムシハンターの鮮烈なデビューの様子をぜひ振り返ってみましょう。
ウリハムシやらカメムシやらよく分からない虫と戦いながら育てている、野菜達の現在について、先輩にご報告したいと思います。
押忍。
・枝豆
かなりカメムシは減り、ちらほらと白い小さな花が咲きだしております。
後述します。
・トマト
これがですね。
なんかイマイチなのですよ。
実をつけだしてるのもいるのですが、しなしなになっているのもいて、とても赤い美味しそうなトマトを実らせるとは思えません。
支柱を適当に立てたのが良くなかったのか、水をあげすぎたのか。
改めて本で調べてみると、なんと花が咲いたら軽く支柱をたたいて受粉させなければならないと書いてあるではありませんか。
なんて世話の焼ける。
さっそくトントンとやってあげたいのですが、しばらく雨ばかりですねぇ。
困りました。
・茄子
なんと茄子がエースとして君臨しています。
長茄子は一番果を摘んでからいっこうに実がつかなくなりましたが、他の名前が分からない”皮が薄い”という茄子はちょこちょこと収穫できはじめています。
■”1番から3番果までは早めに収穫せよ”
とのことで、まだ小さいのですがとりあえず収穫。
・ムーンライト(メロン)
ウリハムシは退治して、やってこなくなったのですが・・・。
■これ枯れかけてないですか?
ネットで調べたところ”放任栽培”と書いてあったので、水を適当に上げる以外はほったらかしにしていたのですが、放任し過ぎたのでしょうか。
かろうじて花は咲いているので、しばらく様子をみましょう(結局、放任)。
・ピーマン
これもほぼ放任というか、ほぼ放置。
■水をあげているだけですが、白い花らしきのが咲き始めました。
・オクラ
これも完璧に放置。
が、なんと蕾らしきドリルみたいなのが出てきました。
■果たして、これがどうなるのでしょうか。
と、このような感じです。
そして、昨日。
我が枝豆ちゃんにたかるカメムシをまたまた発見しました。
「やれやれ・・・」
重く深い溜息をひとつついて、手術前の医者のように冷静に軍手は嵌めます。
そして、カメムシを着実に一匹一匹人差し指と親指で摘みプチプチと潰していきます。
貴兄らも、次に私を見かけた際は、カメムシハンターと敬ってくださいね。
でもコロナなので、握手は諦めてくださいね。
辺り一面にカメムシの悪臭が漂います。
そんな折、ふと異変に気が付きました。
なんとカメムシを潰している軍手の指先が何やら赤っぽいのです。
どう考えてもカメムシの体内に血が流れているとは思えません。
「よもや新種か!」
と色めき立ちましたが、流血するカメムシなんて薄気味悪くて発見しても誰にも言えません。
とりあえず気にしないことにして、カメムシを潰し歩きました。
20~30匹くらいあの世に送ったところで、ほぼほぼ見当たらなくなったので、切り上げて帰りました。
しかし、その時すでにカメムシの逆襲は完了していたのです。
なんと先ほど軍手を赤く染めていたのは、カメムシの体液だったのです。
しかも!
しかもですね、兄貴!!
この体液はアルデヒドとかいう有害物質が主成分で、なんと毒というではありませんか。
ただの臭いにおいを巻き散らす変な名前の虫だと侮っていたのですが、野郎はなんと毒まで持っていたのです。
ただ、人体には特に大きな影響はないとのことで、ひと安心。
しかし!
なんとカメムシの体液は、カメムシを何十匹と屠った私の人差し指と親指にしっかりと染み込んでいたのです。
当然ながら指先が臭いのです。
なんとおぞましいのでしょうか。
■衝撃映像。
カメムシの体液に染まった我が人差し指。
なんと洗っても数日はとれないそうです。
絶望。
いったいどこの世界にカメムシの体液が染み込んだ男と仲良くしようと思う人がいるでしょうか。
当然ながら私なら絶対に嫌です。
私なら、陰で「アイツ、超カメムシ臭いよね」と悪口を言って、ゲヒゲヒ嗤います。
私は、本日をもってカメムシハンターは卒業し、カメムシ人間として生きていきます。
貴兄らに、これだけは言っておきます。
いくら私に憧れたとしても、素手や軍手一枚でカメムシを潰してはいけない。
絶対にです。
これがカメムシ人間からの最後の忠告です。
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初めての家庭菜園 ー覚醒ー
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前回、輝かしい未来を信じて生まれてきた枝豆の芽を無慈悲にブチブチと間引き、更には長茄子の一番果を切り取るという所業に、貴兄らも私と一緒に泣いてくれたことと思います。
今日はその後の畑の様子をお話ししたいと思います。
雨の日以外は、水やりに畑を訪れます。
面白いことに毎日行って見ているのに、毎日必ず成長しているのです。
かわいらしいですね。
かように健気にスクスクと育つ愛くるしい野菜達の元へ足繁く通っていたのですが、私の不在の間に間男のように奴らが突然やって来たのです。
害虫です、害虫。
害をなす虫。
何度か当ブログでも書いていますが、私は都会暮らしが長かったこともあり、虫は大の苦手なのです。
苦手と言うかもう恐怖の対象なのですよ。
かように小さい虫を175cm(本当は174.5cm)の私が恐がる理由などまったくないのですが、おっかないというか気持ち悪いものは仕方がありません。
あぁ、蟲。
何なのでしょうね、蟲。
アイツら必要ですか?
要る?
本当に?
あ、そう。
最初の来客は、まず試しにと植えてみたムーンライトという気取った名前が鼻につくメロンにやって来ました。
ちょっとオレンジかかった6~8mmほどの虫です。
これがですね、1匹や2匹ならまだしもですね、奴らはですね、なんと十匹以上もの大群で押し寄せてきやがったのです。
なんということでしょうか。
1cmにも満たない彼らの中にもきっと頭が切れるボスがいるのでしょう。
私が虫が恐いことを知っていて、奴らは数で攻めてきたのです。
あぁ、おぞましい。
■調べてみると、ウリハムシという虫でした。
葉っぱをムシャムシャ喰っていやがりました。
あぁ、忌々しい。
あまりのことに失禁しそうになりましたが、ぐっと堪え、ただちにホームセンターに走り、殺虫剤を購入。
■購入したのはこれ。
本当はムーンライトちゃんに殺虫剤など撒きたくはありませんが、枯れてしまっては元も子もありません。
さっそくウリハムシの野郎目掛けてスプレーを噴射してやりました。
奴ら相当ビビッてましたぜ、兄貴。
翌日、確認してみるとまだ数匹はいましたが、ほぼウリハは居なくなっていました。
これは私の勝利でしょう。
帰ってムーンライトクッキーでも食べてお祝いしましょう。
しかし噂には聞いていましたが、我が野菜達にも害虫がやってくるとは。
心のどこかでウチの子に限って、と楽観していたのですが・・・。
恐ろしいことですね。
そして更に数日後。
葉っぱばかり大きく、なかなか実をつけない茄子ちゃんにも明らかに虫に喰われた跡があるではありませんか。
■ショック!
葉っぱの至るところに穴が!!
まったく何ということでしょうか。
毒を食らわば皿までといいます。
こうなったら茄子達にも殺虫剤の噴射を敢行するしかありません。
やれやれですね。
そして、先日遂に!
愛しの枝豆ちゃんがカメムシの餌食になっていたのです!
茎や葉に何匹も群れを成してムシャムシャと喰い散らかしています。
私のカワイイ枝豆ちゃんが、カメムシなる、虫のクセに他の生き物の名前を付けられたオトボケ野郎に蝕まれているのです。
あまりの光景に絶叫しながら、
虫嫌いの私が!
なんと素手で!
カメムシ野郎を指先でパシッと弾いたのです!
見るだけでも怖気立つというのに私の指がカメムシと接触したのです。
もちろん、これではきっと退治は出来ていません。
しかし、それでも私は次のカメムシ野郎も指で弾きました。
するとあろうことかですね。
指が当たった枝豆ちゃんの茎ごと千切れて吹っ飛んでいったではありませんか。
「ママッ!?」
茎を吹っ飛ばされた枝豆が仰天して、目を見開いて私を見やります。
「ゴ、ゴメンッ!
あの、カメムシが・・・、その・・・」
謝りながらもまだまだカメムシは数十匹と枝豆ちゃんに取り付いています。
そして遂に私は逆上しました。
なんと気づいたら、私を嘲笑うカメムシを人差し指と親指で摘み、
「ギャーッ!」
と叫びながら潰していたのです!
プチッ!
と微かに潰れる音がして、指先にカメムシが潰れた感触が残ります。
奥さんは、カメムシが潰れる生音を聞いたことがありますか?
私は、あります。
それから数匹潰してやりましたが、カメムシが放つ凄まじい悪臭にふと我に返りました。
「さすがに素手はないな・・・」
独り言ちて、枝豆ちゃんに
「もうちょっと我慢してね」
と声をかけてから軍手を取りに行って、そこから軍手越しに着実にプチプチとカメムシ野郎を潰していきました。
虫にももちろん命があります。
が、愛する枝豆ちゃんにたかるカメムシはもうただの敵でしかありません。
奥さんも愛犬が、カメムシに喰われていたらやっつけますよね?
もちろん、殺虫剤スプレーも噴射し、後顧の憂いもしっかりと断ちました。
しかし、島に来て3ヵ月で素手で虫を潰せるようになるとは。
田舎暮らしで、私の隠れていた野生が覚醒したのでしょうか。
このまま半年くらい経つと、ピーナッツを放り投げて口でキャッチするみたいにして、カメムシをパクついているかもしれません。
その時はまたブログに書きますね。
それにしても、野菜達の脆弱さは半端じゃないですね。
毎日水をあげたり、虫共を追っ払ってあげても、実をつけるかどうか微妙なのです。
彼らは、自ら生き抜こうという気力が足りないのではないでしょうか。
それにくらべて雑草の逞しいことといったら本当に凄まじいのです。
ちょっと見比べてみましょう。
■これが6/21の畑の様子です。
周りは雑草がかなり生えてきていますが、畝の間は少ししか生えていません。
■そしてこれが、6/28の写真です。
なんと一週間でこの有様です。
こんなのマルチを張ってなかったらとんでもない地獄でしたね。
面倒くさくてもマルチを張ってて良かったです。
さぁ、皆さんもさっそくマルチを張りましょう!
続きます。
ではまた。
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しまなみ海道上級者向け 大島の隠れビーチ
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ご無沙汰しております。
まだまだコロナはおさまりませんが、先輩方はお元気でしょうか。
非常事態宣言真っただ中、”〇〇バトン”というのがじんわりと流行っていたのを覚えていますか?
まったく他人事だと思ってFacebookなどを涎を垂らしながら眺めていたのですが、なんと驚いたことに私にプッシュアップバトンなるものが回ってきたのです。
これには困惑しました。
皆さまのプッシュアップバトンを見てみると、どなたも誰かが撮影をしているのです。
ところがなんと現在私は今治市大島でひとりで暮らしており、誰も私のプッシュアップなどを撮影してくれる人などいないのです。
いや、もちろん大島で知り合った方も多くいますが、まだ私が頭がおかしいことを知らない皆さまに、突然そのようなことをお願いできる筈もありません。
どうか貴兄らもぜひ静かに目を閉じて想像していただきたい。
4月から東京からやってきた何者とも知れぬ48歳の胡散臭い中年男性が、
「ぜひとも私のプッシュアップをする姿を一緒に撮影してくれないでしょうか」
などと突然話しかけてくるのです。
頭が狂っていると思われます。
とはいえ、せっかく私ごときにも声をかけてくれたので、どうしたものかと懊悩していたのですが、グラバカジムのヅカマニアのオービス・スズキ氏が、
「せっかく島に居るのなら海で撮影してこい」
とアドバイスをくれたのです。
なるほど。
初めてオービス・スズキ氏の発言に納得しました。
確かに島で孤独に暮らす48歳の小太り男性が、自室でひとりノリノリで腕立て伏せをする姿はあまりに悲しい。
しかし、海ならどうでしょう。
きっと私の哀愁を自然が優しく包んでくれることでしょう。
とはいえ。
迂闊にその辺の海岸で撮影はできません。
「ねぇねぇ、4月に東京から来た地域おこし協力隊の人がいるじゃない」
「知らない」
「いるのよ。 妙に胡散臭い人が」
「え? 何よそれ。 で、ソイツがどうしたのよ」
「…こないだね、海岸でね、自撮りしてたのよ」
「それはまぁ胡散臭いけど、自撮りぐらいすることもあるんじゃない?
きっと自分が大好きなのよ」
「うん。私もね、自撮りしてるだけなら気にしないんだけどね…」
「・・・・・・なに?」
「ソイツね、何だかニヤつきながらね、腕立て伏せをしている自分を嬉しそうに撮っていたの! しかも動画を!」
「なにそれ! 超キモいんだけど!」
「でしょ! アタシ悲鳴を上げながら走って逃げたわよ」
「何なのよソイツ!
ちょっとアンタ! そんな動画どうするのよ!」
「知らないわよ、アタシは!」
このように地元の方々をパニックに貶めてしまうのです。
これは避けたい。
そこで、私は恐らくそうそう人が来ることはないと思われる海岸で撮影することにしたのです。
■「しまなみ島走BOOK」というガイドブックには、<戸代鼻のかくれビーチ>という名称で載っていました。
ここしかありません。
なんせ隠れているのです。
ここなら一人で動画を撮影しても、狂ったようにダンスを踊っても、「キエー!」と叫びながら焼けた石に地獄突きの練習をしてもきっと大丈夫です。
しないけど。
っていうか、意味が分かりませんよね。
スミマセン。
ということで、出発です。
■島の東側の友浦という地域までやってきました。
■この辺りの海岸にも既に誰も見当たりませんが、万がいち誰かが来るととてつもなく恥ずかしいので、やっぱりかくれビーチを目指します。
初志貫徹ですね。
なんて男らしいのでしょう。
この戸代鼻のビーチですが、”かくれ”という名の通り、どうやら簡単には行けないようなのです。
何も考えずに愛機のGIANTのロードバイクでやって来たのですが、なんと途中から山道になったではありませんか。
当然ながら細いタイヤのロードバイクは山道なんて走ることはできません。
むしろ一番向いていないでしょう。
しかし定価15万円の愛機をその辺りに放っていく訳にもいきません。
仕方なしに自転車から降りて押して歩きます。
山道をロードバイクを押して歩くとは、考え得る中で最悪の部類に入るシチュエーションです。
やれやれ。
■恐怖。
道中、放棄された柑橘が猪に荒らされていました。
これはもういつ猪が出てきてもおかしくありません。
猪に襲われる危険を冒してまで、腕立て伏せの動画など撮影する必要は1ミリもないのですが、とりあえず進みます。
とにかくもうヤケクソでどんどん山道を登っていきます。
しかしさすがにGIANT号を押して行くのも限界です。
仕方なしに愛機を残して更に進むことにします。
■さよなら。
■しかし、5分ほど進むとなんと打ち捨てられた軽トラの亡骸があるではありませんか。
あかん!
こんなところにGIANTちゃんを残してなんていける筈ないではありませんか!
ごめん!
ごめんよGIANT!
泣きながら小走りでGIANTちゃんのところに戻り、改めて押しながら山道を進みます。
しかし、山道はどんどん悪路となっていきます。
この格好良いGIANTちゃんが更に足手纏いになってきます。
「チッ! コイツさえいなければ…」
私の中で悪魔が囁きます。
そして遂に悪魔の甘言に負けて、GIANT様を山の中に放置してやりました。
自分が楽をしたいがために愛機を打ち捨ててやったのです。
人の姿をした鬼畜となり果ててしまった私は、何が何でも戸代鼻のかくれビーチとやらに行くしかもう道はないのです。
それにしても。
何が悔やまれるといえば、何も考えずにビンディングシューズを履いてきてしまったことです。
奥さん、知ってます?
ビンディングシューズって。
ロードバイク用のシューズなのですが、なんと靴底に金具が付いているのですよ。
これがですね、奥さん。
凄まじく歩き辛いのですよ。
スパイクのような金具ならまだしも、靴底の真ん中に金具が付いているのでもう邪魔で邪魔でしかたありません。
むしろよくここまで、こんな靴でロードバイクを押しながらやってきたものです。
■クソ暑い中をとにかく意地になって山道を延々と進みます。
そして、遂に。
■遂にかくれビーチが見えてきました。
やったよ。
やったよ母さん。
猪の恐怖やビンディングシューズの歩きづらさにもボク負けなかったよ。
■ようやく到着。
■さすがに海はきれいです。
そりゃあそうですよね。
こんなところまで来て汚かったらやってられません。
ここなら誰の目も気にせず、好きなだけプッシュアップができます。
イヤッホー!
いや。
自分で気づかないフリしていましたが、そもそも別に私は腕立て伏せをやりたい訳ではないのです。
せっかくの祝日に私は一人っきりでこんなところでいったい何をしているのかと絶望感が押し寄せてきますが、心を無にして腕立て伏せをしました。
更にこんなに頑張って一人っきりで撮影をしたというのに、撮影した動画にはブンブンと蠅がたかっていやがったのです。
こんな秘境までやってきて狂ったように腕立て伏せをしているのに、結果、完成した動画は、蠅が舞う姿が何とも物悲しい作品に仕上がっていたのです。
こんな切ないことがあるでしょうか。
もう撮り直す気力も失せ、帰ることにしました。
■また荒れた山道を引き返す絶望感よ。
■山だから涼しいだろうとお思いでしょうが、めちゃくちゃ良い天気で、とてつもなく暑かったです。
汗だくになりながら復路を無心であるいていると、どこからかシクシクと咽び泣くような声が聞こえてきました。
?
・・・・・・!!
・・・GIANTちゃん!
■小走りで向かうとそこには、私の帰りを待つ孤独に震えるGIANTちゃんが居たではありませんか。
そして、GIANTと仲良くまた友浦まで戻ってきました。
グダグダで蠅がたかっていましたが、とりあえずは動画も撮れたし、きれいな海にも行けたしまぁまぁの達成感で帰路に就くことにしました。
が、あんなに苦労をしてきれいな海岸まで行ったというのに、なんと家から自転車で10分程のところで、しかもちょっと隠れたところにとてもキレイな海岸がありました。
■「ここでええやないか…」と呆然と5分ほどたたずみました。
徒労という言葉が脳裏に浮かびましたが、もうそこは気づかないフリをするしかありません。
まぁ、大島の隠れたスポットを紹介できたということで、地域おこし協力隊としてはOKではないでしょうか。
え? そんなことはない?
あそう。
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脱 コロナ太り ー後編ー
10万円の給付金を国からもらって、10万円以上の住民税を中野区に支払ったヒョードーです。
なんか住民税は、1月1日に切り替わるので、今年の分は引越し前の住所の自治体に払うらしいですね。
引越しした途端に10万円以上の請求が来て、卒倒しました。
やれやれ。
で、前回の続きです。
コロナもまだまだ不穏な感じですが、とりあえず各ジムが再開し始めたので、私も今治の格闘技ジムに通うことにしました。
ただ問題はですね、ジムが遠いということです。
残念ながら大島には格闘技ジムはないので、橋を渡って今治の陸地部まで行くことになります。
大島からだと、自転車で1時間くらいで、原付バイク(以下、原付)だと45~50分といったところでしょうか。
以前に通っていたグラバカジムまでは、自転車で5分だったことを考えると、12~13倍の時間を要します。
しかし!
しかしそれでも私は通うのです。
腕の毛も妙に濃いことだし、男の中の男とは私のような者のことをいうのでしょう。
ということで、自転車はキツいので原付で、まずは週に1日を目標に格闘技を再開です。
とはいえ、実はですね。
まだ原付で今治の陸地部(以下、今治)まで行ったことがないのです。
なので、まずは予行演習ということで、美容室に行くついでに初めて原付で今治まで行ってきました。
■地域おこし協力隊で、今治市から貸与してもらっている愛機。
そもそも原付は10代の遥か昔にちょこっとだけ乗ったことがある程度です。
原付の乗り方をネットで改めて確認し、二段階右折もしっかり勉強し、いざ出発です。
時は来た。
それだけだ。
■来島海峡大橋に到着。
いつもは右の自転車道ですが、この日は初めて憧れの原付道へ。
おかしな流派みたいですが、ただの道路です。
■以前ブログにも書いた馬島のところに料金所がありました。
いやーいい天気ですね。
■さぁ! ぜひ読み返してみましょう!
きっと幸運が訪れます!
■自転車は現在無料ですが、原付は片道200円です。
日曜日で料金所は無人だったのですが、キチンと支払ってやりましたぜ、アニキ。
原付の制限速度は時速30kmです。
下手をするとロードバイクにも抜かされかねない速度ですが、法律なので遵守しなくてはいけません。
しかし初めてのチャレンジでノリノリで出発したのですが、ロードバイクで30kmほど出すと爽快なのに、原付だとまったく爽快感がないのはなぜなのでしょうか。
不思議。
それにしても他の原付からもガンガン抜かされます。
制限速度なんて誰も守らないのでしょうか。
何となくこっちが進路妨害をしているような気になるから不思議。
などと思いながらも、なんとか無事に今治の美容室に到着しました。
しかし、美容室に行くだけで今治まで来なきゃいけないのはさすがにちょっと面倒ですね(あ、島にも美容室はありますよ)。
その後、かかりすぎたパーマに若干動揺しつつ、家に帰ろうかと美容室から外に出たらですね。
なんとですね、奥さん。
なんと、雨が降ってやがるのですよ。
ハァ?
雨ー!?
パニクって叫びそうになりましたが、美容師のおねえさんが出口の外まで見送りに出てきてくれているので、グッとこらえて格好をつけて言ってやりましたよ。
「まぁ、これくらい大したことないので気合で帰りますよ。ハッハッハッ!!」
シビレますね。
まぁ実際のところ、雨はいつ止むかも分からないので雨宿りという選択肢はなく、雨の中を30kmで突っ走ります。
味方は美容師のおねえさんに言った通り、気合だけです。
■急遽コンビニでレインコート(上のみ)を購入。
この後、なんと前が見えづらいほどの豪雨となり、レインコートなどほぼ意味をなさなくなります。
しかし、生まれて初めての原付での遠出で土砂降りの雨とは。
これは試練か、それともただの不運か。
激雨の中、慣れない原付で突っ走ります。
しかし、いかんせん時速は30kmなので、とてつもなく遅いのです。
天気予報では夜から雨が降るということだったので、安心していたのですが、まさかの15時過ぎから豪雨とは。
雨の中行き交う車の水しぶきを顔面に大量に浴びながら大阪弁で呪いの言葉を吐き続けながら走り続けます。
するとですね。
不思議な現象が起こったのです。
なんとですね。
不思議なことにだんだん楽しくなってきたのです。
これは現実逃避の一種なのでしょうか。
あまりの楽しさに歌を歌いながらノリノリで走ります。
土砂降りの驟雨の中、ハイテンションで歌を歌いながらも法定速度を遵守して走る、冷静と情熱の間の中年男とすれ違った女子高生はいったい何を思ったでしょうか。
その心中は察して余りあります。
途中ふと我に返りネガティブな感情がニョキニョキと顔を出しかけましたが、気づかないフリをして、更にハイテンションで歌を歌って何とか家に帰り着きました。
やれやれ。
これで今治の格闘技ジムへ行くシミュレーションも完璧ですね。
学んだことは、天気予報は信じるな、です。
■これからお世話になるのは、こちらの総合格闘技道場ARMSさんです。
週イチ会員で、6,000円/月。
ということで、いよいよジム初日を迎えました。
この日は19時くらいから出発。
■東京より日が長いので、19時を過ぎでもまだ夕焼けです。
こっちは本当に日が長い。
20時前でもまだうっすら明るいのですよ。
この日の昼間は30℃近くあり、とても暑かったので半袖短パンで原付で出かけたのですが、夜はめちゃくちゃ寒く、あっという間に後悔。
シミュレーションはまったく完璧ではありませんでした。
帰りは更に寒くなるので、途中ワークマンでロングスパッツを購入。
なんと確か780円くらいでした。
安い。
何とか無事に着き、この日は3ヵ月ぶりのグラップリングです。
ところが、ジムの代表の方が気を使っていただいて、
「あのグラバカに16年も通っていたとても強い方ですよー!」
とジム生の方に逐一紹介してくれるのです。
お気遣いはとてもありがたいのですが、ハードルがみるみる上がっていきます。
こう見えて小心の私は、そうでなくても初めての人と場所でとてつもなく緊張しているのに
「あっさり一本とられたらどうしよう」
と良からぬプレッシャーに襲われます。
更に
「ハァ? そんなの関係ねーよ! こんな初老、オレ様がやっつけてやるぜ!」
などと考える若者もいるかもしれません。
ヒー!
おっかない!
ヤバい!
ヤバい!
焦りでダクダクと汗をかきながらとっておきの作戦を敢行しました。
人生経験が長いと咄嗟に対応ができますね。
コホンと軽く咳払いをしてから、ひとり言を装い、
「いやー、3ヵ月もグラップリングをやってないから、もう忘れちゃってるかもなー」
など、ちょびっとだけ大きめの声で言ってやりました。
完璧な作戦です。
48歳という年齢からも私へのハードルはみるみる下がる筈です。
心臓の音がバクバクと響く中、勇気をもって上目遣いでそっと周りを伺います。
!!!
なんと驚いたことにもう誰も私の方など見てもいないではありませんか。
もう少し興味持ちなさいよ。
何よもう。
とはいえ、結果的にはとても楽しく過ごせました。
3ヵ月前の覚えたてだった技の細かいディテールなんかはすっかり忘れてしまいましたが、昔から使っている技は意外と覚えているものですね。
格闘技はやっぱり楽しいです。
ただ、ひとつ問題が。
後日、打撃クラスにも出ていい汗をかいたのですが、なんと自分でも驚くほど体力が落ちているのです。
なんと3分2ラウンドのミットで、凄まじく疲れてしまったのです。
これはいかんのですが何せ週イチ会員なので、恐らく体力は戻りそうもありません。
これはもう、痩せれませんね。
コロナ時代は、コロナ太りのまま生きていこうと思います。
やったことなくてもぜんぜん良いので、誰か大島で一緒に格闘技をしてくれる人いないかなー(大声)。
打撃でもグラップリングでも何なら柔術でも良いので、ご興味ある方がいればぜひご連絡くださいね(切望)。
またまた長い文章を最後までお読みいただき感謝です。
ではまた。
脱 コロナ太り -前編ー
コロナ太りなどという言葉がありますが、先輩はいかがっすか。
世の流れがデブに傾いているので、あまり目立ちませんが、私も着実に体重が増えています。
以前は週に3~4日はグラバカジムで格闘技の練習をしていたのですが、今治の大島に来てからすっかりそれもなくなり、ただただ大量のカロリーを摂取するだけになっています。
そういえば、大島に来てからも趣味を訊かれると、
「格闘技です♡」
とかわいい笑顔で答えるのですが、まぁ、なかなか伝わりません。
「え? 格闘技? 恐い!」
「いや、恐くないですよー。 ほら僕なんてぜんぜん恐くないですよね?」
「違う意味で恐いです」
「え…?」
「で、格闘技って、何するの?」
「えーと…。 グラップリングっていうんですけど。
寝技っていうか、その…レスリングに柔道の寝技を足したような…」
「はー? ごめん、ぜんぜん分からない」
「あーですよね。 あ、でも打撃もしますよ」
「ヤダ! やっぱり恐い!」
「いや、思いっきり叩いたりしませんよ。 ほとんど当てないくらいです」
「なにそれ、格闘技なの?」
「いやー…」
これはまぁ東京にいた時からだいたいこんな感じだったのですが、自分の趣味を上手く説明できないのはまぁまぁ切ないです。
余談ですが、ケガをして病院に行くと説明がまぁ難しいのです。
「どうしましたか?」
「はい! オモプラッタ(技の名前)を極められて肩を痛めました!」
「…キミはいったい何を言っているのかね」
といった残念な感じになるのです。
とにかく格闘技というのは、あまりウケは良くないようです。
野蛮なイメージなのでしょうか。
しかし私に言わせれば、サッカーや野球とかの方がよっぽど危ないと思うのですが、いかがでしょう。
野球なんてあんな硬くて小さい球がすごいスピードで飛んでくるし、サッカーなんて金属の付いた靴でスライディングしてくるのですよ。
ラグビーなんてのも後ろからタックルされるみたいですし。
格闘技なんて、タックルされてもほぼ前からしかないですよ。
格闘技で後ろなんて向いていたら、それはソイツが狂ってるか試合を放棄しているだけです。
そういえば、グラバカのオービス・スズキ氏が、私のグラバカ最終日の丸先生とのラストスパーリングを撮影してくれていたので、丸先生には無断で貼り付けてみますね。
これは前述の打撃なしのグラップリングのスパーリングです。
確かこの動画の前週に丸先生に一本取られていたので、リベンジ戦でもあります。
■2020.3 丸先生とのスパー。
とてつもなく見づらいのですが、苦情はオービス・スズキ氏へお願いします。
ヒョードー グラバカラストスパー〈 ヒョードーvs.丸先生 〉
いかがでしょう。
さっぱり分からないでしょう。
たださっぱり分からないでしょうが、中年男性二人がキャッキャッいいながら、なんとなーく楽しそうなのは伝わったでしょうか。
え? それも分からない?
そもそも動画なんてスルーして観てもいない?
あ、そう。
何よもう。
ということで、そろそろコロナ自粛も解除されてつつあるので、私も格闘技を再開することにしました。
イェーイ!
ではまた。
初めての家庭菜園 -間引き-
前回から引き続き家庭菜園について書きたいと思います。
苗から植えた茄子やピーマンより、どうしても種から植えた枝豆が気になってしまいます。
苗はヨソからやってきた子ですが、枝豆は私が自ら畑に蒔いて健気に芽吹いた子なのです。
しかも芽は絵にかいたようなかわいらしい双葉なのです。
もうかわいいではなく、かわゆいと表現したくなりますね。
■前回から更にすくすくと健やかに育ちました。
■貴兄らも是非「かわゆい」と口に出してみてください。
会ったことがないこの枝豆ちゃんに愛情を感じてくる筈です。
ところでー。
貴兄らは”間引き”という言葉をご存じでしょうか。
間引き。
この口に出すのもおぞましい悪魔のような言葉について説明せねばなりません。
間引きとは、苗を密植した状態から少数の苗を残して、他の苗を抜いてしまうことです。
もう少し分かりやすく言いましょう。
先ほどの写真を見てみるとマルチの穴から3~4つの芽が育っていますね。
この状態から2つの芽を残して、後は引き千切らなくてはならないのです。
これは、同じところに固まっていると栄養分を取り合ってしまい、実が生っても元気に育たないからとのことです。
ご理解いただけたでしょうか。
間引きとは、生贄を捧げて全滅を免れるという悪魔の所業のことなのです。
「無理だ! そんなこと僕にはできない!」
「じゃあ、三人ともダメになっちゃうよ。 いいの?」
「良くないよ! でもだからといって…!」
「じゃあ何で同じところに種を3つも4つも撒いたんだよ」
「!!
そ、それは本やネットにそのように種を蒔くって書いてあったから…」
「そうだよね。
芽が出ない子もいるし、芽が出ても元気じゃない子もいるから、多めに蒔いてダメな子は抜いて、元気な芽を残すんだよね」
「・・・あぁ」
「じゃあ、最初っからそのつもりで種を蒔いたんじゃないか!
この偽善者め!」
「!!」
完敗です。
こうなったらもうヤルしかありません。
動物によっては、”刷り込み”といって、産まれて初めて見る動いて声を出すものを母親と認識することがあるといいます。
そうなのです。
この子達にとって私は生まれた時に「かわいい」と声をかけてきた母親なのです。
もちろんその正体は、メガネで小太りの中年男性なのですが、それは敢えてこちらからは言ったりはしません。
「キミ達のママはね、48歳のメタボ男性なのだよ」
とは、いくら私でも言える訳ないではないですか。
しばらく雨が降らない日が続いたため、私は毎日水やりに畑を訪れます。
すると彼や彼女らは一斉に
「ママ!」
「ママ!」
と、とても嬉しそうにはしゃぐのです。
そんな子ども達に私は慈愛の表情で水を撒いたり、栄養分を横取りする雑草を抜いたりするのです。
しかし、この日は違いました。
枝豆達は私の只ならぬ表情にいつもと違う雰囲気を読み取ったのか、それとも我が身の人生が終わることを察していたのか、私の姿を見ても無言で下を向いたままなのです。
「ごめんね」
と声をかけても返事はありません。
時間をかけてもお互い辛いだけです。
私は心を鬼にして同じマルチの穴で、比較的発育が良くなさそうな枝豆ちゃんを泣きながら引き千切りました。
その時確かに聞こえたのです。
「ママ、ありがとう」
ごめん!
ごめんよ!
生まれたばかりなのに!
枝豆の豆さえ実る前に引き千切ってしまってごめんよ!
そして私は本当はママではなく、ただのお菓子好きの中年男性なのだよ!
ごめんよ!
■・・・。
そこからはもう堰を切ったように残りの子達を間引きまくりました。
どうか、私を見かけたら自分勝手な理由で我が子を棄てた鬼畜と思い、侮蔑の言葉を吐き捨ててください。
それが、天に向かって芽を伸ばし、志半ばで引き千切られ、棄てられたあの子達へのせめてもの償いなのです。
■惨劇。
さて。
その後、生き残った枝豆ちゃん達は、何とかショックから立ち直ってすくすくと育っています。
そして遂に。
遂に長茄子に実が生ったのです。
■待望の第一子。
キミは惨劇の後に射す、一筋の光です。
消えていった枝豆の分も健やかに育って欲しいですね。
嬉しくなり、家に帰ってネットや本で鼻歌を歌いながら、これからの育て方を確認しました。
しかし、あぁいったい何ということでしょう。
あろうことか、
<1~3番果は若どりして、株の負担を軽くすると、その後の生育や着果がよくなる>
と書いてあったのです。
またか。
しかし、人間というものは慣れる動物なのです。
まだ実が生っていない他の野菜キッズ達を前に誇らしげにたたずむ、その名の通りの長男である長茄子を無言で鋏で切ってやりました。
北斗神拳で秘孔を突かれるとヤラれたことにも気づかないように、長茄子もあまりの突然のことで、自身に何が起こったかさえまったく気づいていない様子でした。
それはそうでしょう。
これからどんどん大きく長く育つ筈だったのですから。
■さすがに長茄子はヤラれた際に、アベシ!ともヒデブ!とも言いませんでした。
野菜作りというのはほのぼのしたイメージをお持ちの方が多いと思いますが、かように残酷なものだったのです。
合掌。
たぶんつづきます。