しまなみ海道・・・ではなくて、とびしま海道へサイクリング
■サイクリングは続く
3ヵ月ぶりにGIANTちゃんが出動し、伯方島を一周してきました。
久しぶりのサイクリングで海沿いを気持ちよく走れたので気を良くして、ふと思い立って今度はとびしま海道に行ってきました。
知ってます?
とびしま海道。
とびしま海道は、今治市の関前諸島の岡村島から広島県呉市まで橋で繋がっている道のことです。
そう。
広島県とは繋がっているのに、今治市とは橋で繋がっていないのです。
今治市なのに。
なんてことでしょう。
なので、行くには今治港からフェリーで行かなきゃいけないのです。
まぁそういったこともあり、他にサイクリストも少なく走りやすいのですよ。
坂も少ないですしね。
で、このとびしま海道にも過去に何度か訪れているのですが、個人的にはしまなみ海道よりこちらの方がサイクリングしやすくて好きなのです。
まぁあまり大きな声では言えませんが。
ということで、今治港8:25発のフェリーに乗るべく、早起きしてロードバイクで来島海峡大橋を渡って今治港へ向かいます。
■岡村島へ
ってことで、45分くらいかけて無事に今治港に到着。
岡村島まではフェリーで1時間くらい。
早起きした上に朝から爆走したので、船上からの美しい景色なんて目もくれず、寝てやりましたぜ、兄貴。
白目を剥いてヨダレを垂れ流している間に無事に岡村島に到着しました。
今回は、過去にまだ一周したことがない岡村島を一周してみました。
これがまたね、奥さん。
まぁキレイなこと。
■49歳の心身ともに汚れきった中年でもキレイだと感じるのですから相当キレイですよ。
後日、岡村島の地域おこし協力隊のNさんに岡村島に行ったことを告げると、ロバは見たか?と言われました。
いや、見てないよと言うと、気づかない方がおかしいと蔑んだ目で見られました。
ロバ?
次行った際は、最近は近視で老眼という何が何だか訳が分からないパニック眼ではありますが、ロバ見つけてやろうではないですか。
パニ眼でも立派に生きていけるんだってことを証明しますよ。
首洗って待ってろよロバ。
■県境
■大崎下島→豊島
ここに来るといつも立ち寄る山清青果さんで100円の伊予柑ジュースをいただきました。
■甘酸っぱくて美味しゅうございました。
■が! なんと近々閉められるそう。
残念極まりない。
大崎下島は、重要伝統的建造物群保存地区という古い町並みが残っている御手洗地区というところが有名です。
かの坂本龍馬先生も訪れたことがあるそうな。
■古い町並みがステキです。
が、ここは何度も来たことがあるし、後でコーヒーを飲みに戻ってくるつもりなので、一旦スルー。
重要伝統的建造物群保存地区もよもやスルーされるとは思ってもいなかったでしょう。
今回は、次の豊島まで行ってまたお好み焼きを食べて戻ってくる予定なので、のんびりと島の南側の海沿いの快走路を進みます。
■ええとこや
■マリちゃん
無事に豊島に到着。
いや、ホントはね。
無事ではないのですよ。
奥さん、あのね。
お尻が痛いのですよ、ボク。
サボらずに定期的にロードバイクに乗っていると痛くなくなるのでしょうか。
新しいサイクルパンツ買おうかなぁ。
で、数年前にも来たことがある<マリちゃん>というお好み焼き屋さんを探します。
というのも、非常に分かりづらいところにあるのですよ、このお店。
近くに来ても良く分からないので、スマホで検索するとお店のレビューで、
「お店の場所が分からなかったので地元のおじさんに聞いたら、お店まで案内してくれました! 気候だけでなく人も温かい!」
みたいなことが書いてあるではないですか。
周りを見渡すとちゃーんと居るではないですか。
地元感丸出しのおじ様達が。
きっと優しくお店まで案内してくれるのでしょう。
田舎の人は優しい人が多いですからね。
「すみませーん♪」
「・・・?」
「あの、この辺にあるマリちゃんっていうお好み焼き屋さんにはどうやっていけばいいですか?」
「その道からや」
「あ、そこですねっ♪」
「・・・・・・」
「・・・・・・あ、ありがとうございまーす!」
案内してくれませんでした。
■ここ。
ディープにも程があります。
地元民ご用達感丸出しのお店ですが、めちゃくちゃお好み焼きが美味しいのですよ。
10時半過ぎに入店したのに既にお客さんが居て、その後もバイカーや地元の方々が次々やってきます。
こないだの伯方島では、広島風お好み焼きのうどん玉を食べたので今回はそば玉を注文。
お好み焼きは、威勢のいい店主らしき女将さんが焼いてくれるので、スマホをいじりながら待っているとですね。
あろうことか、地元のお客さんであるおばあさんが私に水を持ってきてくれたではありませんか。
何故、お客さんがお客さんである私に水を!?
しかもめっちゃ笑顔じゃないですか!
50歳を前に遂に私にもモテ期が来たか!!
モテ期到来に万歳をしかけましたが、よもや水を受け取っただけで万歳三唱をする訳にもいかず、私も笑顔でありがとうございますと返しました。
ふぅ。
きっともう半分お店の人って言っても良いくらいの地元の常連さんなのでしょう。
こういう雰囲気はステキですね。
■食後にはなんとコーヒーのサービスが!
どこにもコーヒー付きなんて書いてないのに!
粋過ぎる!
そういえば、以前に来た時は剥いた柿まで「食べや」って持ってきてくれました。
絶品お好み焼きにコーヒーサービスまでついて、なんと650円。
都会なら1,000円はしそう。
因みに私は食べたことないのですが、太刀魚で出汁を取ったラーメンもメニューにあります。
大満足でまた大崎下島を今度は北側から回って戻ります。
■御手洗地区リターン
ってことで、御手洗に戻ってきました。
■こちらも再訪の古民家カフェ若長さん
ここで(さっきも飲んだけど)食後のコーヒー・・・と思ったのですが、ハニートーストなる美味しそうなメニューがあるではありませんか。
■絶賛ダイエット中。
■二階からの景色。
完璧です。
■いかにも古民家って感じです。
まぁ古民家なのですが。
落ち着きます。
ってことで、そろそろ帰ります。
本当はもうちょっといろいろ回りたかったのですが、13:30の岡村島発のフェリーを逃すと次は16:15という気絶しそうな時刻表なのです。
他のルートもあるのですが、なんだか疲れたので帰ります。
アラフィフの悲哀よ。
■フェリーから。
それにしても天気のいい休日にフラッと旅行気分が味わえるのは、本当に嬉しいです。
皆様もとびしま海道へぜひ。
あ、もちろんしまなみ海道へもぜひぜひ。
ではまた。
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しまなみ海道伯方島 久しぶりのサイクリング
■私が3ヵ月もサイクリングをしなかった理由について
私が住んでいるのは今治市の大島という、その名の通りまぁまぁ大きめの島なのですが、やはり今は”しまなみ海道”が有名なところです。
かく言う私も大島を知ったのは、しまなみ海道のサイクリングがきっかけです。
ということで、せっかく大島に来たのだから、ロードバイクを買ってサイクリングしまくるぜ!いや、させてください!お願いしますよアニキ!ってことで、総額18万円も使ってGIANTのロードバイクを購入した訳ですよ。
が、これがですね、奥さん。
私ね、実はね。
誰にも言わないでくださいよ。
なんと3ヵ月もこのロードバイクに乗っていないのですよ。
いや。
ちょっと弁解くらいさせてくださいよ、先輩。
あんね!
夏はね!
マジ暑いんすよ!
とっても!
以上!
終わり!
おやすみ!
いや! まだ寝ないで最後まで読んで!
すみませんでした!
ふー。
ということで、夏は1ミリどころか1ナノもロードバイクに乗る気が起きず、運動もしないでブクブクと太ったという次第です。
ということで、趣味を訊かれると
「格闘技とサイクリングです♡」
といつも可愛く答える身としては、涼しくなったこの絶好のサイクリングの季節にロードバイクに乗らない訳にはいきません。
とはいえ、すっかり体力が落ちた上に体重が激増量した我が身を鑑み、まずは軽く近場の伯方島を回ることにしました。
■後ろから迫る呼吸音について
伯方島は大島の隣の島で、しまなみ海道の島々の中では一番小さな島で一周しても恐らく20kmくらいです。
ということで、GIANTちゃんのタイヤに空気を入れ直して、いざ出発です。
まずは、大島を西回りのコースから伯方島を目指すことにします。
夕陽が美しいこのコースは基本海べりの平坦なコースなのですが、島の北側へ行くには田浦峠という激坂を越えなくてはいけません。
峠の坂に差し掛かった途端、あっという間に息が上がります。
こんなにも私は体力が落ちていたのかと愕然としながらもハァハァヒーヒーと大量の息を吐きながら意地になって休まずに坂を上り続けます。
話は逸れますが、私が都会でのジョギングが嫌いなのが、この如何にも苦し気な呼吸音を街行く人たちに聞かれるのがイヤなのですよ。
ゼェゼェハァハァ言って走っていると
「コイツ、必死やな!」
「呼吸音www」
とか思われるのが恥ずかしいのですよ。
ですが、島のサイクリングならあまり人とすれ違うことなく思う存分呼吸音を発することができるのです。
イエーイ!
呼吸音バンザーイ!
ということで、少しでも酸素を取り込むべく、凄まじい勢いで呼吸音を発しながら激坂を上っていたのですが、さすがに久しぶりのサイクリングでこの坂は相当キツい。
諦めてロードバイクから降りて押して歩こうかなぁと弱気になりかけた時に我が目を疑うことが起きたのです。
なんと前方に小柄な女性が自転車を押しながら坂を歩いているではありませんか。
もちろん山の中の道なので他に人はいません。
その女性の気持ちを考えてみましょう。
何事も人の気持ちを想像することが優しさの第一歩だと思うのですよ、ボクは。
超小柄(恐らく140cmほど)な女性が、ほぼ人も車も通らない峠をとぼとぼと自転車を押しながら歩いていると、後方から必要以上にハァハァと呼吸音と呼ぶのもおこがましいほどの荒い息を発する汗みどろの中年の男がやってくるのです。
こんな恐ろしいことはないでしょう。
私でも分かります。
ということで、この女性の恐怖心を少しでも和らげなくてはなりません。
私に課せられたミッションはこうです。
①出来得る限り呼吸をしないで、半無呼吸状態でこの激坂を上る。
②心臓は既に限界だが、ロードバイクを決して降りてはいけない。決して。
貴兄らもぜひ一度チャレンジしていただきたい。
息をほぼ止めて自転車で坂を上がるのです。
特に②は絶対に守らなければなりません。
誰もいない山で、中年男性が自分の近くに来た途端、ロードバイクから降りだしたら一体何事かと思うでしょう。
これは、満員電車では必ず両手を上にあげておくのと同様のリスクヘッジです。
それにしても心臓や脳の血管がドロドロの血で詰まっていなくて良かったです。
もう少しでロードバイク無呼吸死をするところでした。
きっとあの小柄な女性はシュッとした渋いナイスミドルが風のように自転車で追い抜いて行った記憶しか残っていないことでしょう。
ということで、無事に(?)田浦峠を抜け、伯方島を目指します。
やれやれ。
■峠を抜けた大島の北側の海。
目の前に大三島が見えます。
ええ天気や。
■伯方島一周
そして、橋を渡って伯方島に到着して、いったん道の駅マリンオアシスはかたにて休憩。
この時はまだダイエットを本格的に開始する前だったので、ご機嫌で自分みやげにみかん風味のわらび餅を購入。
■この後、久しぶりの一大ダイエットプロジェクト発足により、なかなか食べられずに放置されるという不幸を背負うわらび餅ちゃん。
160円也。
引っ越してから何度もこの道の駅には来ていますが、この日が一番賑わっていました。
4月に来たときはコロナで本当に閑散としてたのですよ。
そういえば、4月や5月にも伯方島に来たのですが、この島には開山公園という桜の名所があります。
せっかくなので、その時の写真も載せておきます。
文章の拙さを写真でカバーする作戦ですね。
■愛車と桜。
■菜の花も咲いております。
それはまぁキレイでした。
■こちらは5月の開山公園。
ツツジもキレイです。
■景色もステキです。
と、半年も前なのに既に懐かしい感じです。
そうか。
島に来てもう半年か。
早いような遅いような不思議な感じ。
とはいえ、初めての体験も多くて、なかなか楽しく過ごせています。
良かった良かった。
今回は開山公園を上るモチベーションはなく(山とあるように頂上の公園に行くのはまぁまぁハードなのです)、マイペースで伯方島を回ります。
■途中の休憩所から。
恐らく前方に見えているのは上島町の岩城島。
あらかた回ったところで、お腹もすいてきたのでランチです。
■今回行ったのは美味しいと評判のお好み焼き屋のたんぽぽさんです。
■人気店のようで満席だったので、少し待ってから入店できました。
注文したのは広島風のうどん玉お好み焼き。
関西風と広島風どちらも選べます。
■美味しゅうございました。
次回は関西風を頼みたいと思います。
実は私、大阪人ですしね!
■大島でも見かける鳥を接写。
まぁまぁデカくて、超恐い。
なんて鳥なんでしょうねぇ。
ということで、サイクリングの季節ですね。
久しぶりにGIANTちゃんに乗れて良かったです。
寒くなったらまた乗らなくなるだろうから、涼しいうちにまた乗りたいと思います。
おやすみなさい。
良い一週間を。
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加速する体重増としまなみ海道・亀老山ヒルクライム(後編)
・
■亀老山ヒルクライムスタート
ということで、前回のつづきです。
もうね、いきなり坂です。
っていうか、ここからはずーーーと上り坂が続きます。
寝起き30分の体にこの坂はあまりにキツい。
あっという間に後悔しましたが、ここで帰ると二度と亀老山に自転車で上ろうなんて思わないでしょう。
半泣きになりながらギアを軽ーくして地道にキコキコと上っていきます。
男らしいですね。
それにしても幸いだったのが、他のサイクリストや散歩の方がいなかったことです。
ゼーゼーと自分でも驚くほどの呼吸音を発しながら自転車に乗っていても誰にも嗤われないのです。
ヒャッホーッ♪
兄貴、喘鳴し放題ですよ!
汗だくになりながらもことさら大きくゼーゼーと呼吸音を発し、満喫します。
それにしても、このようなストレス解消法があったとは。
本でも書こうかな。
「あなたも必要以上に呼吸音を発し、ストレスを解消しよう!」
「誰でもできる! むしろ体力がない方が好都合!」
「ヨガなんてもう古い! これこそ新しい呼吸法!」
「ストレス解消効果がハンパない! 気をつけるのは周りに人がいないかを確認するだけ!」
「敢えて人前でやることで、また違ったストレス解消法となる!」
・・・。
いや。
あかん。
こんな本100%売れない。
■対向車とカップル
文字通り森閑とした中に私の呼吸音だけが響きます。
が、時折、上から車が下りてきます。
こっちは汗だくで必死の形相で自転車を漕いでいるのですが、静かなので、車が来るとすぐに気づくので安心です。
車が来たその瞬間だけ顎を引き、俯き気味にして、普通の表情を作り平静を装います。
これで車の中で、
「パパ! あの人、死にそうな顔して自転車に乗ってたね!」
「そうだねぇ。マー君はあんな大人になっちゃダメだよ」
「はーい! あんなに必死なのに自転車超遅かったね!」
「そうだねぇ。マー君はあんな大人になっちゃダメだよ」
「はーい!」
といった会話になることはないでしょう。
ひと安心。
■かなり上って、もう勘弁してくれと思ったころにこのような看板がありました。
実は、この前に”あと2km”の看板もあったのですが、更にここから倍の1km。
しかし、ここまで来たらもう引き返せません。
残り1kmの激坂を上ってやろうじゃないですか。
そして、なんども挫けそうになりましたが、遂に山頂付近のビューポイントに到着。
■まずはGIANT様を撮影。
ハンドルのバーテープが剥がれてきたので、白いテープで留めているのが何ともダサい。
■ここからの景色。
なんとか夕暮れに間に合いました。
少しゆっくりしようかと思ったのですが、なんと前方からうら若いカップルが手をつないでやってきたではありませんか。
これはいかん。
この先の山頂の展望台と違い、ここのビューポイントはほぼ人がいないので、このカップルは人気を避けて、わざわざやってきたのでしょう。
どうか貴兄らもこの純朴な青年の気持ちになってみてください。
今日は初デート。
初めてできた愛しい彼女と美しい夕陽を眺め、ロマンティックな気分に浸ろうと思ってやって来ました。
雲ひとつない天気で、もう最高です。
ところがなんということでしょう。
こともあろうに呼吸の荒い小太りの汗だくのおじさんが、ニヤつきながら自分の自転車の写真を撮影しているではありませんか。
「最悪や…」
青年の絶望の声が私にも聴こえてくるようです。
私はまったく悪くはないのですが、何故か申し訳ない気持ちでいっぱいになり、カップルから逃げるように自転車に跨り、山頂へ向かいました。
■亀老山展望公園到着
■いろいろありましたが、最後のひと坂を必死で上って、ようやく到着。
あー疲れた。
しかし永遠に続くかと思われた亀老山の坂でしたが、上ってみれば恐らく20分くらいでしょうか。
たった20分の運動では到底痩せることなどできるはずもなく、徒労という文字が頭にチラつきます。
やれやれ。
■入口辺りに亀の石像がありました。
なぜか頭に大量の小銭が。
何かご利益でもあるのでしょうか。
■入口。
この展望台は建築家の隅研吾氏の設計で、建築物なのに「建築を消そう」という凄まじく格好いい試みで作られたそうです。
山頂部分を削り、建築物を作り、また山の形に修復したので、ぱっと見は外からだと展望台があると気づきにくいのです。
その結果、自然の景観を損なうことなく素晴らしい展望台ができました。
作るの大変だったでしょうね。
■山の中にコンクリートの格好いいデザインの展望台があります。
地域おこし協力隊としてしっかりと大島の名所のPRもできたところで、まずは夕陽と反対側の展望台へ。
■今治市内や四国方面の景色です。
あんなにビルが。
大都会ですね。
そして、いよいよサンセットビューポイントの方へ向かいます。
が、さっきから若者の集団がなんだか騒いでいるのが気になります。
■左側の人の影がうるさい若者たち。
ただ、逆光でなんだか格好良く撮れてしまいました。
癪ですね。
せっかく美しい景色を見るために必死に自転車を上ってきたというのにギャーギャーと騒がれたら、何だか台無しです。
やーね。
が、こっちも汗臭くて薄汚いのでお互い様といったところでしょうか。
しばらくすると、徐々に人も増えてきたので、若者たちも時折大声で騒ぎますが、少し大人しくなりました。
まぁ、これなら許容範囲です。
■写真なら良いですが、実際はまだ眩しくてまともに見れませんでした。
サングラス必須ですね。
■ようやく夕陽らしくなってきて、目を細めなくても夕陽を見ることができます。
ザ・しまなみ海道といった景色。
実際ここからの写真はよく見かけますね。
■そして更に夕陽は沈み、いよいよ消えていきます。
■帰宅&プチ宣言
さて。
他の観光客の皆さんはまだ夕陽を見ていますが、唯一自転車で来ている私はとっとと帰らなければなりません。
山道の漆黒の闇を自転車で下りる恐怖は考えただけでゾッとします。
あんなに苦労したのに下りはあっという間。
山を下りたらのんびりと家まで帰ります。
■太陽は沈みましたが、逢魔が時で、空はオレンジでとても綺麗です。
■展望台の遠くからの景色も良いですが、海の近くの景色もステキです。
なにより、物音ひとつせずとてつもなく静かです。
ということで、無事に帰宅できました。
亀老山の坂は凄まじくしんどかったのですが、これくらいでは当然ながら体重は減りません。
ということで、ブクブクと豚のように太ったお腹を改善すべく、プチダイエットを敢行することにします。
プチね、プチ。
まずは半額惣菜でついつい買ってしまう揚げ物の禁止という苦渋の決断。
おかずはなるべく野菜中心。
どうしよう、痩せちゃう。
これできっと数か月後には、
「あんなに痩せて、ヒョードーは大丈夫なのか?」
と皆さん心配しだすことでしょう。
それにしても亀老山に行ってきましたっていう内容を書こうと思っただけなのに、気づけば凄まじい長文になっていました。
おかげで前編・後編と分けてしまいました。
どなたか私に文章をまとめる力をくれないものか。
今度、亀老山に行ったら亀に小銭を置いてお祈りしてみましょう。
お付き合いありがとうございました。
ではまた。
加速する体重増としまなみ海道・亀老山ヒルクライム(前編)
■半額惣菜の恐怖
今治に来てからは、なるべく自炊をしているのですが、もともと特に料理が得意でも何でもないので、気を抜くとついスーパーで惣菜を買ってしまいます。
よく中高年になると油物があまり食べれなくなるとか言いますが、今のところ私はあまり影響はなさそうです。
胃潰瘍歴やすぐお腹をくだしたりするので、決して胃腸が人より健康という訳ではないので不思議です。
せめて少しでも胸焼けにでもなれば、食欲を抑えられるのでしょうが、困ったものです。
注意しなくてはいけないのが、元来ドケチな私はついついスーパーの半額惣菜を必要以上に買うクセがあります。
買ってしまうと捨てるのは勿体ないので、必死になって食いまくることになるのです。
しかし大阪人としては、安い品物は買いたい。
だって同じものが、半額になっているのですよ。
買わずにいられますか。
DEAD or BUYですよ。
貴兄らはこのジレンマにどう対処しているのでしょうか。
■先日も気づけば買い物籠の中が半額惣菜だらけに。
空腹時にスーパーに行くととんでもないことになりますね。
1日くらいの賞味期限切れなど気にしないので、数回に分けて食べます。
それにしても店員さんもさすがに一人で食べるとは思わなかったのでしょうね。
帰って袋から出したら、あろうことか割り箸が3本も入っておりました。
これは親切か嫌がらせか。
親切であると信じます。
このような食生活をしていて、更に今はジムにも行っていないので体重がどんどん増えています。
「コロナ太りでーす」
と周りにはかわいく言っていますが、リモートで仕事をしている訳でも何でもないので、コロナはまったく関係なく、ただの不摂生と暴飲暴食が原因です。
すまんコロナ。
それにしてもたった二ヵ月ちょいでこの体重増はいよいよヤバい。
■いつもの日曜日
という状況の先日の日曜日の夕方までを振り返ってみましょう。
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・6:40
起床。前日スーパーで半額だったハーフの巻き寿司とサンドウィッチを食べる。
・10:00頃
何故か猛烈に空腹を感じるが、ぐっと我慢し耐える。
・10:15頃
あっという間に誘惑に負けて、インスタント袋麺の中では比較的カロリーが低めの<ラ王 柚子しお>を食す。
美味し。
腹がくちくなり、すぐにベッドに横になりスマホをいじったりTVを観たりウトウトとちょっと寝たりと日曜日を満喫。
・13:30頃
唐揚げを中心とした揚げ物の半額惣菜をメインにもりもり食べる。
すっかり満足し、またベッドで横になってダラダラして過ごす。
・17:10頃
知らぬ間に寝落ちしてしまっていたようで、慌てて起きて涎まみれになっていた口もとを拭い、数分呆然とする。
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どうですか。
なかなかヤバいでしょう。
問題はこのような日曜日は珍しくも何でもないことなのです。
■日曜日リスタート
さすがにこれではいかんと思い、急いで着替えて、少しでも運動をすべく自転車で外に出ました。
その日初めて外に出て、あまりの良い天気に今日一日を無駄に過ごしたことが悔まれます。
否。
まだ間に合います。
何事も始めるのに遅すぎることはない筈です。
まずは家庭菜園の畑まで行って、水やりをします。
48歳の一日の仕事が水やりだけという悲哀を振り切り、サイクリングに再出発です。
さて。
どこに行こう。
この時間から遠出はできないし、したくないです。
ここからだとこれまで見て見ぬ振りをしていた亀老山(きろうさん)がすぐそこです。
亀老山にはイカした展望台があり、なかなかのビュースポットなのです。
しかも今からだと夕陽がきっと綺麗です
ただ、ここはですねぇ。
けっこうな激坂なのですよ。
もうね、ずーっと坂。
ずーっと。
これまで車では行ったことがあるのですが、
「これは無理だな」
と早々に自転車での登頂は諦めていたのです。
しかし、この日の私はこれまでと違いました。
連日の半額惣菜の揚げ物祭りに加え、一日の90%をベッドで過ごした罪悪感。
「亀老山? やってやろうじゃないか」
体内に摂取した過剰なエネルギーと午睡でのリカバリーが私の気を大きくしていたのです。
■しばらく行くと斜めになりながらもギリ職務を全うする看板を発見。
■山の名前から老けた亀をイメージしていたのですが、CAPをかぶったやけに陽気な亀が私を迎えてくれました。
ここまでで、既に息が切れているのですが、いよいよ亀老山ヒルクライムスタート。
と、実はこの後もしっかりというか、いつも通りダラダラと書いたのですが、なんと4,400文字くらいの長文になってしまいました。
こんなのさすがに飽きて、当ブログの推定6~7名の全読者様も途中で読むのをやめてしまうことでしょう。
ということで、今回はいったんここまでとして、後半に続きます。
果たして、ヒョードーは48年間の人生で一番重い体重を背負い、激坂を上り切ることができるのか。
どうでもいいですね。
では後半でお会いしましょう。
馬島冒険譚
■隠れ名所のご紹介
ようやく緊急事態宣言が解除されましたね。
コロナのおかげでもともと太っていたのに体重がたぶん大変なことになっています。
恐ろしくて体重計には乗っていないので、今いったい何kgなのかは、不明ですが。
格闘技ジムにも通えず、できることはたまーにサイクリングするだけです。
ということで、しまなみ海道にサイクリングに来ても素通りされがちな馬島に先日行ったので、写真多めでご紹介。
知っています?
馬島。
うまじま、ではなくうましまと読むそうです。
NO濁音です。
今治市の陸地部と大島にかかっている来島海峡大橋の途中にあるのですが、江戸時代に今治藩が馬の放牧をしたことが島名の由来だそうです。
へぇー。
■ ”イノシシ出没注意!!”
運動不足解消が目的とはいえ、まぁまぁ近いので家から30分ほどで無事到着。
ここはなんと島民の方以外は車では橋から降りられないのですが、自転車や原付ならなんと橋からエレベーターで島に行くことができます。
■意外にも近代的な通路を進みます。
■自転車も余裕で入れれる箱のエレベーター。
ちなみにお尻が痛くなるので、サドルには超ダサいフワフワのカバーを装着しております。
もちろんレーパンと呼ばれるお尻にクッションみたいなのが付いてるパンツも履いているので、ダブルで傷つきやすいお尻を守っております。
かわいらしいですね。
■エレベーターを降りるとなんとも恐ろしい張り紙が。
「追いかけたり、石を投げたりしてはいけません」と書いてありました。
そんな恐ろしいことする人いるのでしょうか。
先日、たまたまお亡くなりになった猪を見かけたのですが、超デカかったですよ。
あんなのと遭遇したら恐怖で失禁すること間違いなしです。
エレベーターからでて少し進んで、でた道は坂になっています。
坂があれば上りたくなりますよね、先輩。
上には一体何があるのか楽しみっす!
イェーーーイ!
まぁまぁ斜度の高い坂をゼェゼェ言いながら必死で上ります。
■橋に着きました。
ん?
■なんてこった。
元の場所に戻っただけでした。
橋からエレベーターで下りて、急な坂を上がると橋に戻るのは当然と言えば当然。
48年も生きてきてそんなことにも気づきませんでした。
チッ!
■探索
48年分の重いため息をつきながら、死に物狂いで漕いで上った坂をあっという間に下り、海にでました。
■来島海峡大橋の真下の海岸。
■海岸はゴミが流れついていて、ちょっと残念な感じ。
そんな海岸には化け物のようにデカくなったアロエにも会うことができます。
しばらく持参したコーヒーを飲んで、ボーとしますが、すぐに飽きてしまい、島内をポタリングすることにします。
まぁ、飽きたからアロエなんて写真に撮ったのでしょうね。
ちょっと行くとフェリー乗り場がありました。
なんとフェリーでも来れるみたいです。
へぇー。
■観光マップ。
というより航路のマップですね。
■マイGIANT様のベストショット。
天気が良くないのが残念。
■人間賛歌は勇気の賛歌
■しばらく行くとなんと神社を発見。
鬱蒼とした山の上の神社を見上げ、先ほどの”危険 イノシシ出没注意!!”が脳裏を掠めますが、せっかく来たので勇気を振り絞って石段を上っていきます。
人間讃歌は勇気の讃歌!!
人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!
とツェペリ先生も仰っていますね。
■幸いにも猪に会うことなく到着。
私の勇気が猪に勝ったということですね。
■ぐるりと回ると小道があり、更に進むとなんと灯台が出現。
■”ウヅ鼻灯台”という名前みたいです。
なんと昭和13年ですって、奥さん。
亥年にあるまじき猪への恐怖に打ち勝ち、勇気をもって上ってきて良かったです。
すっかり満足して石段を下りて、ふとみると謎の小道が横にありました。
■小道の先
■今度こそ猪が出てきてもおかしくありません。
どうですか。
いかにも出そうですよね。
先ほどの張り紙の
”イノシシに遭遇したら、慌てず、騒がず、刺激せずその場を離れてください”
の文言を思い出します。
果たして実際に猪に出くわして慌てずにいられる人などいるのでしょうか。
否。
よほど慣れていなければ、100%慌てます。
って言うか、パニック間違いなしです。
ですが。
それでも私はこの謎の小道も進んで行くのです。
こんなにも私がタフで男らしいとは貴兄も思っていなかったことでしょう。
■ドキドキしながらおよび腰で進むとなんと海にでました。
■先ほどのゴミが打ちあがっていた海岸とは違い、とてもキレイです。
■岩のトンネルの先
■そしてふと岩場の方へ行ってみると、なんと岩にトンネルのような穴が開いているではありませんか。
さすがに海岸に猪は出てこないでしょう。
もちろん勇気の塊の異名を持つ私は進んで行きます。
■ゴーッという凄まじい波の音が聞こえてきました。
凄い潮の流れです。
すぐ目の前で川のような潮の流れがうねる様はなかなかの迫力でした。
恐らく先ほどの”ウヅ鼻灯台”のウヅは渦のことなのでしょうね。
どうでしょうか。
■動画を撮ってみました。
伝わるかなぁ。
ということで、馬島は小さい島ですが、なかなか楽しかったです。
それもこれも猪に勝った私だからこそですね。
是非、貴兄らも明日にでも行ってみてくださいね。
■帰りはようやく少し雲が晴れてきました。
ではまた。
大三島一周で学んだこと
■出発
今一番恐ろしいのはコロナではなく体重計のヒョードーです。
コロナ問題があり、運動不足が続いて体重もストレスも溜まるので、一週間か二週間に一度くらいは、なるべく人と接しないようにしながらサイクリングに出かけています。
ということで、先日というか4月にですが大三島を一周してきました。
朝から気合を入れて出発し、
大島 → 伯方島と走り、まずは無事に大三島に到着しました。
もう少し早く着くかと思ったのですが、1時間もかかってしまいました。
■大三島に到着したところにある”鼻栗瀬戸(はなぐりせと)”という展望名所。
■スタート
ぐるぐると橋を降りて、少し走り、いよいよ一周スタート。
いやー楽しみですねー。
■大三島一周。西から回るルートで進みます!
■地図の①の辺り。
しまなみ海道はサイクリング用にブルーラインが引いてあるので安心。
いきなりアップダウンが続き、あっという間に疲労が蓄積してきましたが、まだまだ序盤なので、疲れに気づかないフリをしてガシガシ進みます。
■で、あっという間に自転車を降りて休憩タイム。実は天気は微妙。
■蜂パニック
不幸は突然やってきます。
坂を上り切り、鼻歌を歌いながら気分よく坂を下りだしたところ、あろうことかメガネと目の間に蜂が入り込んできやがったのです。
いいですか。
もう一度言いますよ。
メガネと目の間に蜂です。
こんな恐怖がありますか。
どうか貴兄も目を閉じて想像してください。
蜂に目を刺される恐怖と戦いながら
「ギャーーーッ!」
と叫びながら死に物狂いでブレーキを絞りますが、スピードが乗った自転車はいきなり止まれないのですよ。
しかも今まさに目の前に蜂がいるというのに転倒してしまう危険があるので、完全に目を閉じることも出来ず、薄目の状態で堪えなければならないのです。
ようやく止まり、奇声を発しながらメガネを外して蜂を追っ払いました。
いったい何だったのでしょうか。
あー怖かった。
■20分ほど走るとトンネルが出現(地図②)。
思ったより長いトンネルで、車が来るとちょっとおっかない。
その後も本当に細かいアップダウンがしつこく続きます。
上っては下り、上っては下りと繰り返していると、まるで積み木を積んでは崩しているような気がしてきますが、前には進んでいるので無意味ではないと言い聞かせながら漕ぎまくります。
■休憩タイム
ようやく地図③の辺りにある宮浦という地区に着いたのでランチです。
が、まぁ予想はしていましたが、コロナの影響でほとんどのお店は閉まっていました。
■何とか営業してくれていたのが、猪骨ラーメンさん。
豚骨ではなく、猪の骨で出汁をとったラーメンなのです。
一度食べてみたいと思っていたので、営業していて良かったです。
■臭みはなく、あっさりしていて美味しくいただきました。
スープを飲み干した後に替え玉が出来ることに気づきましたが、後の祭り。
■閑散としていましたが、有名な大山祇神社にも行ってみました。
あ、読めます? おおやまづみ神社って読むそうですよ。
推定樹齢2,600年の楠があります。
その後、もともとのプラン通り、マーレ・グラッシア大三島という海水温泉で汗を流しました。
最高や。
■海水温泉は浸かりすぎると疲れてしまうそうです。
ここで、まさかの誤算が。
もともとのイメージではですね。
昼ご飯を食べて、風呂で汗を流してサッパリして、気力十分で後半戦に挑む予定でした。
ところが、楽しみにしていたイベントが終わるとこれからのサイクリングがとんでもなく面倒になってきたのです。
いやー。
実際にやってみないと分からないものですね。
しかもこの後も激坂が控えているのですよ、激坂が。
とはいえ、帰らない訳にもいかないので、まったくテンションが上がらないまま溜息をついて後半戦に突入です。
あーあ。
■ロックンロール・ハイスクール
ヒーヒー言いながらもなんとか激坂を上りきり、キコキコと自転車を漕ぎ続けて、地図④の多々羅しまなみ公園に到着。
■<サイクリストの聖地碑>なんてのもあり、本来であれば観光客がたくさんいる場所なのですが、もちろん閉鎖中で閑散としていました。
すっかり疲れたので現実逃避に音楽を聴きながらボーと過ごします。
Spotifyで適当に聴いていたらラモーンズの”ロックンロール・ハイスクール”が流れてきました。
知ってます? ロックンロール・ハイスクール。
疲れ切った体にロックンロール・ハイスクールは、効きます。
いったいどういう歌詞なのは知りませんが、いったい何なのですかロックンロール・ハイスクールって。
そんな高等学校はない。
”ファン ファ~ン ロックンロール・ハイスクール(Fun fun rock'n'roll high school)♪”
というバカ丸出しの明るい歌詞を聴いていると不思議と元気が湧いてきました。
ちょっとだけね。
音楽ってステキですね。
ちなみにですが、私はその昔、日本公演にも行ったことがあるくらいラモーンズは大好きなのです。
■ラモーンズのロックンロール・ハイスクール。ステキです。
Ramones - Rock N' Roll High School (Official Music Video)
誰もいない広大な公園で、ひとりファンファンと歌っていると気づけば30分も経っていました。
いつまでも現実逃避をしていても仕方ないので、重い腰を上げて出発です。
■挨拶
そこからおよそ5kmほどで、目的であった大三島一周達成です。
ここまで来るともう瀬戸内の絶景などガン無視でとにかく先に進みます。
そしてー。
遂に地図①の大三島一周スタートの地点まで帰ってきたのです!
心の中で快哉を叫んでいたところ突如、
「こんにちはー!」
と元気で無邪気な声が聞こえたのです。
慌てて振り向くと少年がとてつもなく爽やかな笑顔で私を見つめているではありませんか。
慌てて、
「こ、こんちはっ!」
と挨拶を返しましたが、こっちはスピードが出ていたのであっという間に少年の横を通り過ぎてしまいました(この間およそ2~3秒ほど)。
ごめんよ、少年。
知る由もないだろうが、君が天使のような笑顔で挨拶をしてくれていた時、48歳のおじさんは心の中で、
「一周イェーイ!!」
とバカみたいに叫んでいたのだよ。
それにしても見も知らぬ人で、しかもですよ、目が合った訳でもない、ただ横を通り過ぎた人に笑顔で挨拶をするというのは本当に素晴らしい。
挨拶を受けた方はこんなにも幸せな気分になるのです。
あぁそうだ。
これからは私もそういう人になろう。
よーし!
さっそく、次にすれ違った人にこちらから元気に挨拶だ!
しかしなかなか人とすれ違いません。
・・・。
来ました!
サイクリストです。
さぁ、挨拶するぞー!
クソッ!
ダメです!
サイクリストはこっちを見もしないで通り過ぎてしまい、声をかけそびれました!
チッ! ガン見し過ぎたか。
次!
老夫婦がこっちに向かって歩いています。
よし! 奥さんと目が合いました!
「こ、こんにちはっ!」
言えた! 言えたよ母さん!
え?
あれ?
なんと奥さんは言葉は返さず、どーも、といった感じで会釈しかしてくれませんでした。
しかも何故か眉間に微妙にシワが寄っていたような気もします。
なんでだよ!
挨拶をするとお互いに幸せな気持ちになるんじゃなかったのかよ!
パニクりながら考えます。
そうか!
笑顔です!
先生(少年)は先ほど満面の笑顔だったではありませんか!
笑顔で挨拶。
これです。
笑顔を忘れていました。
もうっ。
僕ったら。
次は散歩中の女性の二人組がこっちに向かって歩いています。
笑顔で挨拶。
笑顔で挨拶。
心の中で呟きながら満面の笑顔で
「こんにちはー!」
と声を掛けました。
完璧です。
パーフェクト。
心の中で師匠(少年)が、両腕で丸く大きな輪っかを作って笑いかけてくれています。
私はほんの少しでも私は神(少年)に近づけたでしょうか。
ところが、予想外のことが起こったのです。
なんと二人の女性は、私に会釈さえ返さず無視しやがったのです。
Uターンして、いったいどういう了見か問い詰めてやろうかと思いましたが、ぐっと堪えて深呼吸をして心を落ち着かせます。
私も大人になったものです。
原因を考えたいと思います。
何事にも原因があるはずです。
女性二人組の気持ちになってみましょう。
前から自転車に乗った中年男性がこっちに向かってきます。
女性A「ねぇねぇ。あのおじさん何かこっちを見てるわよ」
女性B「え? あ、ヤダ、ホントだ。めっちゃ見てくるわね…」
女性A「ちょっと! しかもなんだか汗だくじゃない。超キモい!」
女性B「シッ! 声が大きいわよ! だ、大丈夫よ。見ちゃダメよ! 見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃダメ」
こんにちは~
女性A「ギャー! 話しかけてきたー!」
女性B「ギャー!」
・・・なるほど。
汗だくの疲労感満載の見知らぬおじさんが、必要以上の笑顔でいきなり声をかけてきたら相当恐いです。
私だってそんな人に挨拶されたら狼狽するでしょう。
たかが挨拶、されど挨拶です。
48年も生きてきて、推定7歳くらいの男の子にさえ私は負けているのです。
なんということでしょうか。
そしてー。
いろいろと我が身の人生を振り返りつつ無事に自宅まで戻ってくることができました。
だいたい65kmくらい走ったでしょうか。
あー疲れた。
なんともまとまりのない記事になりましたが(しかも相変わらず長い)、大三島を一周することで、よもや人生の師匠にまで会うことができるとは思いもしませんでした。
サイクリング万歳。
初心者のサイクリングについての考察
■サイクリングファッションについて
前の仕事を辞め、今治に引越しして収入も減ってしまいました。
それなのに。
こともあろうに18万円(本体の定価は15万円)もの超高級ロードバイクを購入してしまいました。
どう考えても今は無駄遣いをすべきではないのですが、私はまったく後悔していません。
本当に男の中の男ですね。
で、ロードバイクは購入したので、次は服装ですね。
昔は、変なヘルメットを被って、なんだかピチッとした服を着た変な人たち!
って思っていたのに気づけは私もその仲間になろうとしています。
まぁ私はそこまで本格的な恰好で走る訳ではないのですが、昔ちょっぴりバカにしていた恰好に今ではほのかな憧れまで抱くようになっているのです。
ホント人生ってどうなるか分かりませんね。
ただ実はですね。
本格的な恰好をしたくても出来ない理由があるのです。
ガチのサイクリストの方々は、坂道なんかも平然とグイグイ上っていくのですが、こっちは48歳の似非サイクリストなので、米粉のエビせんべいくらいギアもふわっふわに軽ーくして、キコキコと死ぬほど遅いスピードで上っていきます。
ところがですよ。
本格的なサイクリストの恰好をしてしまうとそんなことは出来なくなるのです。
「コイツ本格的な恰好してるけど三輪車並みのスピードじゃねぇかよ!」
「あ、コイツさっき駅前で見かけた奴じゃん!
こんな本格的な恰好してるからてっきりガチレーサーなのかと思ったら、こんなユルい坂で凄まじい呼吸音だな! 過呼吸かよ!」
「なによこの加齢臭!」
まー君「パパ! あの小太りのおじさん、マジで恰好だけだね!」
父「え?あぁ…そうだねぇ。
まー君はあんな大人になっちゃダメだよ」
まー君「うん! 絶対ヤダ!」
などと思われるのです。
恐ろしいですね。
誰だよまー君。
でもですね。
ちょっと初心者っぽい雰囲気を残しているとボクも奥さんも大丈夫。
「あ、この人遅いけどサイクリングを始めたばかりなのね!」
「おじさんなのにがんばってて何だかカワイイ!」
「ねぇねぇ! あのふっくらして貫禄のあるおじさま見て! ダイエットかしら! ファイトッ♪」
「まぁハァハァ言って…なんてセクシーなのかしら!」
どうですか!
素晴らしい作戦でしょう!
ちょっと初心者っぽさを残しておくことで、皆が優しい目で見てくれるのです。
とはいえ、あまりに適当な恰好だとこのようなマイナス面があります。
- お尻が痛い(レーサーパンツが必要)
- Tシャツとかだと空気抵抗が大きい(サイクルジャージが必要)
- 危険(ヘルメットが必要)
なので素人感満載過ぎると危険だしダサいので、あくまでも初心者っぽい感じでよろしくです、先輩。
■サイクリングにおける心理戦とは
せっかくなのでここで、サイクリングについてもう少し突っ込んだ話をしましょう。
サイクリングの難しいところは、向かい風や斜度の高い坂道なんかではなくですね、実は心理戦なのです。
「なんだよ心理戦って。アホか」
とお思いでしょうが、画面を閉じずにまぁ聴いてください。
私もそうなのですが、
やはり一生懸命走っているというのに後ろから来た人に追い抜かれるのは切ないものです。
自転車は抜かれると何だか負けたような気がします。
もちろん一度くらいなら仕方ないのですが、酷いときは何度も何度も幾人もの人に追い抜かれます。
次から次に抜かれる度に自分の不甲斐なさに打ちのめされるという、凄まじく過酷な趣味なのです。
ところがです。
時折ですが、なんとこんな私よりも遅い方もいるのです。
滅多にいないのですが、それだけにこれがまた難しい。
こちとら抜かれる切なさは十分過ぎるほどに知っています。
それなのに今度はこっちが遅い人を抜かなくてはならないのです。
ここで諸先輩方もぜひ想像していただきたいっす。
前方にやたら遅いサイクリストがいます。
追い越せるのに追い越さないのは、真剣に走っている前の人に失礼なので、こちらも手を抜かずに追い越すことにします。
追い抜き方は二択です。
ゼーゼーハァハァと凄まじい呼吸音を発しながら汗だくで抜くのと
「オレこんなにスピード出してるけど、まだまだぜんぜん余裕なんすよねー♪」
って感じで呼吸も乱れずに抜くのであれば、どちらが格好良いでしょうか。
当然、後者の方が格好良いですよね。
実は私も自転車で抜くときは、死ぬほど苦しくても楽勝ポーズを維持したままこれまでは抜いていました。
だがしかし!
最近になってこれが間違いだったとようやく気付いたのです。
ほぼ抜かれることが多い私ですが、私を追い越す人がまったく余裕な感じで抜かれるとそれだけでもう半泣きになります。
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・こんなイメージです
負け → 必死な私
勝ち → 余裕で私を抜いていく人
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ですが、もしも抜く人がハァハァ言いながら抜いていってくれるとどうでしょう。
「あぁ、この人もしんどいんだ!
みんな同じだ! 僕は一人じゃないんだ!
生きてて良かった!
母さんありがとう!」
となるのです。
--------------------------------
・こんなイメージです
必死な私 ≒ 必死で私を抜いていく人
⇒ 同じ辛さを共有 ⇒ 仲間
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どうですか。
これでみんなハッピーです。
そこに恋が生まれるかもしれません。
天才ですか、私は。
■実践
ということで、先日のサイクリングでの出来事を一緒に振り返ってみましょう。
おおっ!
前におあつらえ向きに坂道をのんびり走っているサイクリストがいるではありませんか。
よし。
ではまずは作戦の確認です。
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① 前の人も一生懸命走っていることを忘れない。
② 決して余裕ぶって抜いてはダメ
③ 「私もそれはもう必死で坂を上ってますよ、でも私には私のペースがあるから追い抜きますね」という気持ちで、敢えて必要以上にハァハァと息を切らせて後ろから迫る。
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この作戦に則り、前のサイクリストを追い抜きにかかります。
が、いったいどうしたことでしょう。
前のサイクリストさんのペースがグンと上がったではありませんか。
やれやれ。
まさかこの私に張り合ってくるとは。
なかなかの負けず嫌いですね。
こうなってくると話は変わってきます。
こんなショボい坂をちまちま走ってた奴に負ける訳にはいきません。
これは勝負です。
こちらも半狂乱になって息を切らせて追い抜きにかかります。
が、相手もなんと立ちこぎになって、なかなか抜かせません。
「ハァハァハァハァッ!
この人こんなに…ハァ細いのに…す、凄いがんばる…ハァハァ…じゃないか」
……。
…細い?
………!!!!
あぁっ!
なんと、あろうことか前のサイクリストはよく見ると女性ではないですか!
どうか貴兄らもこの女性の気持ちを想像していただきたい。
人がほとんど通らない坂道を汗だくの中年男性が後ろから異常な呼吸音で追いかけてくるのです。
こんな恐ろしいことがあるでしょうか。
この事実に気づき、あまりのことに心の中で
「ギャーッ!」
と叫びましたが、きっと前の女性サイクリストも心の中で
「ギャーッ!」
と叫んでいることでしょう。
ここでしっかりと抜いてしまわないと、その女性の中で私はただの汗だくの変質者のままなので、死にもの狂いでペダルをこいで、抜き去ってやりました。
これで私は女性の中で、呼吸の荒い変質者から異常な負けず嫌いな中年となった筈です。
■まだあります。
他に困ることはですね(しつこい)。
こっちを追い抜いたのにのんびり走るサイクリストも困りものです。
抜いたらさっさと行ってくれれば良いのですが、そんなに速くないのでこっちもまたすぐに追いついたり、抜いてしまうことがあるのです。
あぁ気まずい。
これだと追い抜かれて意地になって抜き返そうとする狭量な中年男性となってしまうのです。
なんということか。
このようにサイクリングはとてつもない心理戦が繰り広げられるのです。
自転車に乗るのも難しいものですね。
ではまた。