しまなみ海道 エメリヤーエンコ・ヒョードー ブログ

東京からしまなみ海道の大島に移住しました

大三島一周で学んだこと

 

 

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 ■出発

今一番恐ろしいのはコロナではなく体重計のヒョードーです。

 

コロナ問題があり、運動不足が続いて体重ストレスも溜まるので、一週間か二週間に一度くらいは、なるべく人と接しないようにしながらサイクリングに出かけています。

 

ということで、先日というか4月にですが大三島一周してきました。

大三島今治側から行くと、3番目の島ですね。

 

朝から気合を入れて出発し、
大島 → 伯方島と走り、まずは無事に大三島に到着しました。

もう少し早く着くかと思ったのですが、1時間もかかってしまいました。

 

大三島に到着したところにある”鼻栗瀬戸(はなぐりせと)”という展望名所。

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■スタート
ぐるぐると橋を降りて、少し走り、いよいよ一周スタート

いやー楽しみですねー。


大三島一周。西から回るルートで進みます!

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地図の①の辺り。
しまなみ海道はサイクリング用にブルーラインが引いてあるので安心

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いきなりアップダウンが続き、あっという間に疲労が蓄積してきましたが、まだまだ序盤なので、疲れに気づかないフリをしてガシガシ進みます。

 

■で、あっという間に自転車を降りて休憩タイム。実は天気は微妙。

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■蜂パニック

不幸は突然やってきます

 

坂を上り切り、鼻歌を歌いながら気分よく坂を下りだしたところ、あろうことかメガネと目の間に蜂が入り込んできやがったのです。

いいですか。

もう一度言いますよ。

メガネ目の間に蜂です。

 

こんな恐怖がありますか。

どうか貴兄も目を閉じて想像してください。

蜂に目を刺される恐怖と戦いながら
「ギャーーーッ!」
と叫びながら死に物狂いでブレーキを絞りますが、スピードが乗った自転車はいきなり止まれないのですよ。

しかも今まさに目の前に蜂がいるというのに転倒してしまう危険があるので、完全に目を閉じることも出来ず、薄目の状態で堪えなければならないのです。

ようやく止まり、奇声を発しながらメガネを外して蜂を追っ払いました

いったい何だったのでしょうか。

あー怖かった。

 

■20分ほど走るとトンネルが出現(地図②)
思ったより長いトンネルで、車が来るとちょっとおっかない。

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その後も本当に細かいアップダウンがしつこく続きます

上っては下り、上っては下りと繰り返していると、まるで積み木を積んでは崩しているような気がしてきますが、前には進んでいるので無意味ではないと言い聞かせながら漕ぎまくります。

 

■休憩タイム

ようやく地図③の辺りにある宮浦という地区に着いたのでランチです。

が、まぁ予想はしていましたが、コロナの影響でほとんどのお店は閉まっていました。

■何とか営業してくれていたのが、猪骨ラーメンさん。

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豚骨ではなく、猪の骨で出汁をとったラーメンなのです。
一度食べてみたいと思っていたので、営業していて良かったです。

 

■臭みはなく、あっさりしていて美味しくいただきました。
スープを飲み干した後に替え玉が出来ることに気づきましたが、後の祭り。

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■閑散としていましたが、有名な大山祇神社にも行ってみました。
あ、読めます? おおやまづみ神社って読むそうですよ。
推定樹齢2,600年の楠があります。

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その後、もともとのプラン通り、マーレ・グラッシア大三島という海水温泉で汗を流しました。

最高や

 

■海水温泉は浸かりすぎると疲れてしまうそうです。

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ここで、まさかの誤算が。

もともとのイメージではですね。

昼ご飯を食べて、風呂で汗を流してサッパリして、気力十分で後半戦に挑む予定でした。

ところが、楽しみにしていたイベントが終わるとこれからのサイクリングがとんでもなく面倒になってきたのです。

 

いやー。

実際にやってみないと分からないものですね。

しかもこの後も激坂が控えているのですよ、激坂が。

とはいえ、帰らない訳にもいかないので、まったくテンションが上がらないまま溜息をついて後半戦に突入です。

あーあ。

 

■ロックンロール・ハイスクール 

ヒーヒー言いながらもなんとか激坂を上りきり、キコキコと自転車を漕ぎ続けて、地図④多々羅しまなみ公園に到着。

 

<サイクリストの聖地碑>なんてのもあり、本来であれば観光客がたくさんいる場所なのですが、もちろん閉鎖中閑散としていました。

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すっかり疲れたので現実逃避音楽を聴きながらボーと過ごします。

Spotifyで適当に聴いていたらラモーンズ”ロックンロール・ハイスクール”が流れてきました。

知ってます? ロックンロール・ハイスクール。

疲れ切った体にロックンロール・ハイスクールは、効きます

いったいどういう歌詞なのは知りませんが、いったい何なのですかロックンロール・ハイスクールって

そんな高等学校はない。

 

”ファン ファ~ン ロックンロール・ハイスクール(Fun fun rock'n'roll high school)♪”

というバカ丸出しの明るい歌詞を聴いていると不思議元気が湧いてきました。

ちょっとだけね。

音楽ってステキですね。

 

ちなみにですが、私はその昔、日本公演にも行ったことがあるくらいラモーンズは大好きなのです。

ラモーンズのロックンロール・ハイスクール。ステキです。


Ramones - Rock N' Roll High School (Official Music Video)

 

誰もいない広大な公園で、ひとりファンファンと歌っていると気づけば30分も経っていました。

いつまでも現実逃避をしていても仕方ないので、重い腰を上げて出発です。

 

■挨拶

そこからおよそ5kmほどで、目的であった大三島一周達成です。

ここまで来るともう瀬戸内の絶景などガン無視とにかく先に進みます

 

そしてー。

遂に地図①大三島一周スタートの地点まで帰ってきたのです!

心の中で快哉を叫んでいたところ突如、
「こんにちはー!」
元気無邪気な声が聞こえたのです。

慌てて振り向くと少年とてつもなく爽やかな笑顔で私を見つめているではありませんか。

慌てて、
「こ、こんちはっ!」
と挨拶を返しましたが、こっちはスピードが出ていたのであっという間に少年の横を通り過ぎてしまいました(この間およそ2~3秒ほど)。

 

ごめんよ、少年。

知る由もないだろうが、君が天使のような笑顔で挨拶をしてくれていた時、48歳のおじさんは心の中で、
「一周イェーイ!!」
とバカみたいに叫んでいたのだよ。

 

それにしても見も知らぬ人で、しかもですよ、目が合った訳でもないただ横を通り過ぎた人に笑顔で挨拶をするというのは本当に素晴らしい

挨拶を受けた方はこんなにも幸せな気分になるのです。

 

あぁそうだ。

これからは私もそういう人になろう。

よーし!

さっそく、次にすれ違った人にこちらから元気に挨拶だ!

 

しかしなかなか人とすれ違いません。

 

・・・。

 

来ました!

サイクリストです。

さぁ、挨拶するぞー!

 

クソッ!
ダメです!

サイクリストはこっちを見もしないで通り過ぎてしまい、声をかけそびれました!

チッ! ガン見し過ぎたか

 

次!

老夫婦がこっちに向かって歩いています。

よし! 奥さんと目が合いました!

「こ、こんにちはっ!」

言えた! 言えたよ母さん!

え?
あれ?

なんと奥さんは言葉は返さず、どーも、といった感じで会釈しかしてくれませんでした。

しかも何故か眉間に微妙にシワが寄っていたような気もします。

 


なんでだよ!

挨拶をするとお互いに幸せな気持ちになるんじゃなかったのかよ!

 

パニクりながら考えます。

 

そうか!

 

笑顔です!

先生(少年)は先ほど満面の笑顔だったではありませんか!

 

笑顔で挨拶。

これです。
笑顔を忘れていました。

もうっ。
僕ったら。

 

次は散歩中の女性の二人組がこっちに向かって歩いています。

 

笑顔で挨拶。
笑顔で挨拶。

 

心の中で呟きながら満面の笑顔で
「こんにちはー!」
と声を掛けました。

 

完璧です。
パーフェクト。


心の中で師匠(少年)が、両腕で丸く大きな輪っかを作って笑いかけてくれています。

私はほんの少しでも私は(少年)に近づけたでしょうか。

 

ところが、予想外のことが起こったのです。

なんと二人の女性は、私に会釈さえ返さず無視しやがったのです。

 

Uターンして、いったいどういう了見か問い詰めてやろうかと思いましたが、ぐっと堪えて深呼吸をして心を落ち着かせます。

私も大人になったものです。

 

原因を考えたいと思います。
何事にも原因があるはずです。

女性二人組の気持ちになってみましょう。

 

前から自転車に乗った中年男性がこっちに向かってきます。

女性A「ねぇねぇ。あのおじさん何かこっちを見てるわよ」

女性B「え? あ、ヤダ、ホントだ。めっちゃ見てくるわね…」

女性A「ちょっと! しかもなんだか汗だくじゃない。超キモい!」

女性B「シッ! 声が大きいわよ! だ、大丈夫よ。見ちゃダメよ! 見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃダメ」

こんにちは~

女性A「ギャー! 話しかけてきたー!」

女性B「ギャー!」

 

・・・なるほど。

汗だくの疲労感満載の見知らぬおじさんが、必要以上の笑顔でいきなり声をかけてきたら相当恐いです。

私だってそんな人に挨拶されたら狼狽するでしょう。

 

たかが挨拶、されど挨拶です。

48年も生きてきて、推定7歳くらいの男の子にさえ私は負けているのです。

なんということでしょうか。

 

そしてー。

いろいろと我が身の人生を振り返りつつ無事に自宅まで戻ってくることができました

だいたい65kmくらい走ったでしょうか。

あー疲れた。

 

なんともまとまりのない記事になりましたが(しかも相変わらず長い)、大三島を一周することで、よもや人生の師匠にまで会うことができるとは思いもしませんでした。

 

サイクリング万歳。