はじめての家庭菜園 -ワークマン vs カメムシー
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貴兄らは、およそ一ヵ月ほど前に私がカメムシに敗北したことを覚えているでしょうか。
■忘れている方は、是非こちらをお読みください。
前回、カメムシの逆襲にあい、指先からカメムシ臭を発するカメムシ人間となったのですが、無事3日ほどでカメムシの呪いは解け、アラフィフのただの中年男性に戻りました。
しかし、私がこのまま引き下がると思ったら大間違いです。
カメムシに敗北したまま、この後の30年ほどの人生を送る訳にはいかないのです。
仮に人生80年として、かけがえのない29,200日の内3日間もカメムシとして生きたのです。
こんな屈辱があるでしょうか。
せっかく今治の大島まで引っ越して来て、この先
「あそこにはカメムシおじさんが住んでるから、近寄っちゃダメよ。あぁ臭い臭い!」
と言われ続けるのです。
私は己の人生と尊厳を賭けて、カメムシへのリベンジを果たさないといけないのです。
ということで、カメムシとのリマッチです。
とはいえ、素手や軍手ではカメムシ汁が指先に浸透し、おぞましい悪臭を放つこととなります。
ということで、ワークマンで手のひら部分がゴムになったアイテムを購入。
■これです。
いくらカメムシの毒汁が強力でも、この分厚めのゴム手袋ならば、弾き返すことができるでしょう。
「待ってろよカメムシ!」
と心の中で雄たけびを上げ、小走りでカメムシ共が蠢く枝豆達のところへ向かいます。
前回、私の指をカメムシ汁まみれにして勝利し、すっかり気を良くしたカメムシ共は調子にのって枝豆にバカみたいに密集して張り付いています。
私たちがコロナ下で涙を呑んで三密に耐えているというのに密りまくりやがって!
「バカが!」
とまた心の中で絶叫し、分厚いゴムに守られた指先でカメムシを潰し、プチッという小気味いい音を立てて、奴は土の上に落ちていきました。
「イケる!」
その後はもう私の圧勝でした。
心の中で快哉を叫び、勝利の涙が込み上げてきました。
もちろんすべて心の中で叫んでいるのは、畑でカメムシと会話をしていることがご近所の方々にバレないためです。
気をつけないと
「あの人はカメムシと会話をするために今治に来たのだよ」
と噂になってしまいます。
それは良くない。
よもや大都会東京で暮らしていた私が、今治に来て数ヵ月でカメムシと会話をし、更にプチプチと小気味良いポップな音を弾かせながら潰しているとは誰が予想できたでしょう。
未来は何が起こるか分かりませんね。
貴女も明日、カメムシを潰しているかもしれませんよ。
ところで。
前回、カメムシを素手で潰したと書いたところ、私のことを凶悪な野生中年だと思った方がいらっしゃいました。
我が枝豆ちゃんに数十匹もたかっていたカメムシは、マルカメムシといいカメムシの中ではかなり小型のやつです。
大きさはテントウムシくらいでしょうか。
このサイズだったので私にでもカメムシと戦えたのです。
■いくら私でも、このような一般的なカメムシは素手ではムリです。
ちなみにカメムシは、何十種類もいるそうですよ。
無駄にカメムシ知識を植え付けてしまってスミマセン。
ということで、私は無事にカメムシ共に勝利しました。
ムンムンと辺りにカメムシ臭が漂う中、心の中で雄たけびを上げ、私を無言で見守ってくれていた他の野菜達にゴム手袋を外しながら笑顔で応え、水をあげにまわります。
・オクラ
なんと前回ドリルのような花の蕾ができていましたが、その蕾は無事にオクラに変身。
しかし、こんなに早くオクラ本体になるとは思ってもみなかったので、気づいた時には巨大オクラになっていました。
■モリモリ育ってました。
■およそ20cm弱。
超デカい。
■一応調理してみましたが、食してみると筋だらけの食物繊維の塊でした。
痛恨のミス。
さすがに断念し、廃棄。
すまんかった。
その後、オクラは大きくなり過ぎる前に収穫するようにし、美味しくいただいております。
しかし、育てておいて食せずに廃棄したことが、よほど腹に据えかねたのか、オクラから逆襲を受けたのです。
それは、連日続いた梅雨の雨がようやく上がった夕暮れ時でした。
我がオクラちゃんを収穫しようと鼻歌まじりに近づいたところ、妙な胸騒ぎがしたのです。
ここ数日で数十匹と屠ったカメムシの怨念かと思いましたが、どうやら違うようです。
恐る恐るオクラに近づくと、なんとあろうことか、アマガエルが絵にかいたような感じで葉っぱの上でたたずんでいやがったのです。
■恐ろしいことに保護色でかなり近づくまで気づけませんでした。
私は48歳にもなって、あまりのことに失禁しそうになりましたよ。
超恐い。
もちろんこの日は、オクラの収穫は断念。
・茄子
相変わらずエースの座をキープ。
■もりもり成長しています。
・ピーマン
ナスちゃんに次いで、収穫祭りを開催中。
こんなに実るならもっと植えとけば良かった。
・トマト
上のナスの写真にも見切れていますが、落ちこぼれだったトマトも遂に!
遂に一部のトマトに実がなりだしました。
■しかしなかなか赤くなりません。
いったいどうなっているのか。
・ムーンライト(メロン)
完全に枯れはてました。
甘く冷たいメロンと過ごす筈であった、私のスウィーティーな夏は夢と終わりました。
今後、ムーンライトについて語ることはないでしょう。
さようなら。
■収穫した野菜達。
長ナスもその名の通り無事に長く成長しました。
ではまた。
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初めての家庭菜園 -逆襲、そして絶望ー
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地域おこし協力隊改めカメムシハンターとなったヒョードーです。
■カメムシハンターの鮮烈なデビューの様子をぜひ振り返ってみましょう。
ウリハムシやらカメムシやらよく分からない虫と戦いながら育てている、野菜達の現在について、先輩にご報告したいと思います。
押忍。
・枝豆
かなりカメムシは減り、ちらほらと白い小さな花が咲きだしております。
後述します。
・トマト
これがですね。
なんかイマイチなのですよ。
実をつけだしてるのもいるのですが、しなしなになっているのもいて、とても赤い美味しそうなトマトを実らせるとは思えません。
支柱を適当に立てたのが良くなかったのか、水をあげすぎたのか。
改めて本で調べてみると、なんと花が咲いたら軽く支柱をたたいて受粉させなければならないと書いてあるではありませんか。
なんて世話の焼ける。
さっそくトントンとやってあげたいのですが、しばらく雨ばかりですねぇ。
困りました。
・茄子
なんと茄子がエースとして君臨しています。
長茄子は一番果を摘んでからいっこうに実がつかなくなりましたが、他の名前が分からない”皮が薄い”という茄子はちょこちょこと収穫できはじめています。
■”1番から3番果までは早めに収穫せよ”
とのことで、まだ小さいのですがとりあえず収穫。
・ムーンライト(メロン)
ウリハムシは退治して、やってこなくなったのですが・・・。
■これ枯れかけてないですか?
ネットで調べたところ”放任栽培”と書いてあったので、水を適当に上げる以外はほったらかしにしていたのですが、放任し過ぎたのでしょうか。
かろうじて花は咲いているので、しばらく様子をみましょう(結局、放任)。
・ピーマン
これもほぼ放任というか、ほぼ放置。
■水をあげているだけですが、白い花らしきのが咲き始めました。
・オクラ
これも完璧に放置。
が、なんと蕾らしきドリルみたいなのが出てきました。
■果たして、これがどうなるのでしょうか。
と、このような感じです。
そして、昨日。
我が枝豆ちゃんにたかるカメムシをまたまた発見しました。
「やれやれ・・・」
重く深い溜息をひとつついて、手術前の医者のように冷静に軍手は嵌めます。
そして、カメムシを着実に一匹一匹人差し指と親指で摘みプチプチと潰していきます。
貴兄らも、次に私を見かけた際は、カメムシハンターと敬ってくださいね。
でもコロナなので、握手は諦めてくださいね。
辺り一面にカメムシの悪臭が漂います。
そんな折、ふと異変に気が付きました。
なんとカメムシを潰している軍手の指先が何やら赤っぽいのです。
どう考えてもカメムシの体内に血が流れているとは思えません。
「よもや新種か!」
と色めき立ちましたが、流血するカメムシなんて薄気味悪くて発見しても誰にも言えません。
とりあえず気にしないことにして、カメムシを潰し歩きました。
20~30匹くらいあの世に送ったところで、ほぼほぼ見当たらなくなったので、切り上げて帰りました。
しかし、その時すでにカメムシの逆襲は完了していたのです。
なんと先ほど軍手を赤く染めていたのは、カメムシの体液だったのです。
しかも!
しかもですね、兄貴!!
この体液はアルデヒドとかいう有害物質が主成分で、なんと毒というではありませんか。
ただの臭いにおいを巻き散らす変な名前の虫だと侮っていたのですが、野郎はなんと毒まで持っていたのです。
ただ、人体には特に大きな影響はないとのことで、ひと安心。
しかし!
なんとカメムシの体液は、カメムシを何十匹と屠った私の人差し指と親指にしっかりと染み込んでいたのです。
当然ながら指先が臭いのです。
なんとおぞましいのでしょうか。
■衝撃映像。
カメムシの体液に染まった我が人差し指。
なんと洗っても数日はとれないそうです。
絶望。
いったいどこの世界にカメムシの体液が染み込んだ男と仲良くしようと思う人がいるでしょうか。
当然ながら私なら絶対に嫌です。
私なら、陰で「アイツ、超カメムシ臭いよね」と悪口を言って、ゲヒゲヒ嗤います。
私は、本日をもってカメムシハンターは卒業し、カメムシ人間として生きていきます。
貴兄らに、これだけは言っておきます。
いくら私に憧れたとしても、素手や軍手一枚でカメムシを潰してはいけない。
絶対にです。
これがカメムシ人間からの最後の忠告です。
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初めての家庭菜園 ー覚醒ー
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前回、輝かしい未来を信じて生まれてきた枝豆の芽を無慈悲にブチブチと間引き、更には長茄子の一番果を切り取るという所業に、貴兄らも私と一緒に泣いてくれたことと思います。
今日はその後の畑の様子をお話ししたいと思います。
雨の日以外は、水やりに畑を訪れます。
面白いことに毎日行って見ているのに、毎日必ず成長しているのです。
かわいらしいですね。
かように健気にスクスクと育つ愛くるしい野菜達の元へ足繁く通っていたのですが、私の不在の間に間男のように奴らが突然やって来たのです。
害虫です、害虫。
害をなす虫。
何度か当ブログでも書いていますが、私は都会暮らしが長かったこともあり、虫は大の苦手なのです。
苦手と言うかもう恐怖の対象なのですよ。
かように小さい虫を175cm(本当は174.5cm)の私が恐がる理由などまったくないのですが、おっかないというか気持ち悪いものは仕方がありません。
あぁ、蟲。
何なのでしょうね、蟲。
アイツら必要ですか?
要る?
本当に?
あ、そう。
最初の来客は、まず試しにと植えてみたムーンライトという気取った名前が鼻につくメロンにやって来ました。
ちょっとオレンジかかった6~8mmほどの虫です。
これがですね、1匹や2匹ならまだしもですね、奴らはですね、なんと十匹以上もの大群で押し寄せてきやがったのです。
なんということでしょうか。
1cmにも満たない彼らの中にもきっと頭が切れるボスがいるのでしょう。
私が虫が恐いことを知っていて、奴らは数で攻めてきたのです。
あぁ、おぞましい。
■調べてみると、ウリハムシという虫でした。
葉っぱをムシャムシャ喰っていやがりました。
あぁ、忌々しい。
あまりのことに失禁しそうになりましたが、ぐっと堪え、ただちにホームセンターに走り、殺虫剤を購入。
■購入したのはこれ。
本当はムーンライトちゃんに殺虫剤など撒きたくはありませんが、枯れてしまっては元も子もありません。
さっそくウリハムシの野郎目掛けてスプレーを噴射してやりました。
奴ら相当ビビッてましたぜ、兄貴。
翌日、確認してみるとまだ数匹はいましたが、ほぼウリハは居なくなっていました。
これは私の勝利でしょう。
帰ってムーンライトクッキーでも食べてお祝いしましょう。
しかし噂には聞いていましたが、我が野菜達にも害虫がやってくるとは。
心のどこかでウチの子に限って、と楽観していたのですが・・・。
恐ろしいことですね。
そして更に数日後。
葉っぱばかり大きく、なかなか実をつけない茄子ちゃんにも明らかに虫に喰われた跡があるではありませんか。
■ショック!
葉っぱの至るところに穴が!!
まったく何ということでしょうか。
毒を食らわば皿までといいます。
こうなったら茄子達にも殺虫剤の噴射を敢行するしかありません。
やれやれですね。
そして、先日遂に!
愛しの枝豆ちゃんがカメムシの餌食になっていたのです!
茎や葉に何匹も群れを成してムシャムシャと喰い散らかしています。
私のカワイイ枝豆ちゃんが、カメムシなる、虫のクセに他の生き物の名前を付けられたオトボケ野郎に蝕まれているのです。
あまりの光景に絶叫しながら、
虫嫌いの私が!
なんと素手で!
カメムシ野郎を指先でパシッと弾いたのです!
見るだけでも怖気立つというのに私の指がカメムシと接触したのです。
もちろん、これではきっと退治は出来ていません。
しかし、それでも私は次のカメムシ野郎も指で弾きました。
するとあろうことかですね。
指が当たった枝豆ちゃんの茎ごと千切れて吹っ飛んでいったではありませんか。
「ママッ!?」
茎を吹っ飛ばされた枝豆が仰天して、目を見開いて私を見やります。
「ゴ、ゴメンッ!
あの、カメムシが・・・、その・・・」
謝りながらもまだまだカメムシは数十匹と枝豆ちゃんに取り付いています。
そして遂に私は逆上しました。
なんと気づいたら、私を嘲笑うカメムシを人差し指と親指で摘み、
「ギャーッ!」
と叫びながら潰していたのです!
プチッ!
と微かに潰れる音がして、指先にカメムシが潰れた感触が残ります。
奥さんは、カメムシが潰れる生音を聞いたことがありますか?
私は、あります。
それから数匹潰してやりましたが、カメムシが放つ凄まじい悪臭にふと我に返りました。
「さすがに素手はないな・・・」
独り言ちて、枝豆ちゃんに
「もうちょっと我慢してね」
と声をかけてから軍手を取りに行って、そこから軍手越しに着実にプチプチとカメムシ野郎を潰していきました。
虫にももちろん命があります。
が、愛する枝豆ちゃんにたかるカメムシはもうただの敵でしかありません。
奥さんも愛犬が、カメムシに喰われていたらやっつけますよね?
もちろん、殺虫剤スプレーも噴射し、後顧の憂いもしっかりと断ちました。
しかし、島に来て3ヵ月で素手で虫を潰せるようになるとは。
田舎暮らしで、私の隠れていた野生が覚醒したのでしょうか。
このまま半年くらい経つと、ピーナッツを放り投げて口でキャッチするみたいにして、カメムシをパクついているかもしれません。
その時はまたブログに書きますね。
それにしても、野菜達の脆弱さは半端じゃないですね。
毎日水をあげたり、虫共を追っ払ってあげても、実をつけるかどうか微妙なのです。
彼らは、自ら生き抜こうという気力が足りないのではないでしょうか。
それにくらべて雑草の逞しいことといったら本当に凄まじいのです。
ちょっと見比べてみましょう。
■これが6/21の畑の様子です。
周りは雑草がかなり生えてきていますが、畝の間は少ししか生えていません。
■そしてこれが、6/28の写真です。
なんと一週間でこの有様です。
こんなのマルチを張ってなかったらとんでもない地獄でしたね。
面倒くさくてもマルチを張ってて良かったです。
さぁ、皆さんもさっそくマルチを張りましょう!
続きます。
ではまた。
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初めての家庭菜園 -間引き-
前回から引き続き家庭菜園について書きたいと思います。
苗から植えた茄子やピーマンより、どうしても種から植えた枝豆が気になってしまいます。
苗はヨソからやってきた子ですが、枝豆は私が自ら畑に蒔いて健気に芽吹いた子なのです。
しかも芽は絵にかいたようなかわいらしい双葉なのです。
もうかわいいではなく、かわゆいと表現したくなりますね。
■前回から更にすくすくと健やかに育ちました。
■貴兄らも是非「かわゆい」と口に出してみてください。
会ったことがないこの枝豆ちゃんに愛情を感じてくる筈です。
ところでー。
貴兄らは”間引き”という言葉をご存じでしょうか。
間引き。
この口に出すのもおぞましい悪魔のような言葉について説明せねばなりません。
間引きとは、苗を密植した状態から少数の苗を残して、他の苗を抜いてしまうことです。
もう少し分かりやすく言いましょう。
先ほどの写真を見てみるとマルチの穴から3~4つの芽が育っていますね。
この状態から2つの芽を残して、後は引き千切らなくてはならないのです。
これは、同じところに固まっていると栄養分を取り合ってしまい、実が生っても元気に育たないからとのことです。
ご理解いただけたでしょうか。
間引きとは、生贄を捧げて全滅を免れるという悪魔の所業のことなのです。
「無理だ! そんなこと僕にはできない!」
「じゃあ、三人ともダメになっちゃうよ。 いいの?」
「良くないよ! でもだからといって…!」
「じゃあ何で同じところに種を3つも4つも撒いたんだよ」
「!!
そ、それは本やネットにそのように種を蒔くって書いてあったから…」
「そうだよね。
芽が出ない子もいるし、芽が出ても元気じゃない子もいるから、多めに蒔いてダメな子は抜いて、元気な芽を残すんだよね」
「・・・あぁ」
「じゃあ、最初っからそのつもりで種を蒔いたんじゃないか!
この偽善者め!」
「!!」
完敗です。
こうなったらもうヤルしかありません。
動物によっては、”刷り込み”といって、産まれて初めて見る動いて声を出すものを母親と認識することがあるといいます。
そうなのです。
この子達にとって私は生まれた時に「かわいい」と声をかけてきた母親なのです。
もちろんその正体は、メガネで小太りの中年男性なのですが、それは敢えてこちらからは言ったりはしません。
「キミ達のママはね、48歳のメタボ男性なのだよ」
とは、いくら私でも言える訳ないではないですか。
しばらく雨が降らない日が続いたため、私は毎日水やりに畑を訪れます。
すると彼や彼女らは一斉に
「ママ!」
「ママ!」
と、とても嬉しそうにはしゃぐのです。
そんな子ども達に私は慈愛の表情で水を撒いたり、栄養分を横取りする雑草を抜いたりするのです。
しかし、この日は違いました。
枝豆達は私の只ならぬ表情にいつもと違う雰囲気を読み取ったのか、それとも我が身の人生が終わることを察していたのか、私の姿を見ても無言で下を向いたままなのです。
「ごめんね」
と声をかけても返事はありません。
時間をかけてもお互い辛いだけです。
私は心を鬼にして同じマルチの穴で、比較的発育が良くなさそうな枝豆ちゃんを泣きながら引き千切りました。
その時確かに聞こえたのです。
「ママ、ありがとう」
ごめん!
ごめんよ!
生まれたばかりなのに!
枝豆の豆さえ実る前に引き千切ってしまってごめんよ!
そして私は本当はママではなく、ただのお菓子好きの中年男性なのだよ!
ごめんよ!
■・・・。
そこからはもう堰を切ったように残りの子達を間引きまくりました。
どうか、私を見かけたら自分勝手な理由で我が子を棄てた鬼畜と思い、侮蔑の言葉を吐き捨ててください。
それが、天に向かって芽を伸ばし、志半ばで引き千切られ、棄てられたあの子達へのせめてもの償いなのです。
■惨劇。
さて。
その後、生き残った枝豆ちゃん達は、何とかショックから立ち直ってすくすくと育っています。
そして遂に。
遂に長茄子に実が生ったのです。
■待望の第一子。
キミは惨劇の後に射す、一筋の光です。
消えていった枝豆の分も健やかに育って欲しいですね。
嬉しくなり、家に帰ってネットや本で鼻歌を歌いながら、これからの育て方を確認しました。
しかし、あぁいったい何ということでしょう。
あろうことか、
<1~3番果は若どりして、株の負担を軽くすると、その後の生育や着果がよくなる>
と書いてあったのです。
またか。
しかし、人間というものは慣れる動物なのです。
まだ実が生っていない他の野菜キッズ達を前に誇らしげにたたずむ、その名の通りの長男である長茄子を無言で鋏で切ってやりました。
北斗神拳で秘孔を突かれるとヤラれたことにも気づかないように、長茄子もあまりの突然のことで、自身に何が起こったかさえまったく気づいていない様子でした。
それはそうでしょう。
これからどんどん大きく長く育つ筈だったのですから。
■さすがに長茄子はヤラれた際に、アベシ!ともヒデブ!とも言いませんでした。
野菜作りというのはほのぼのしたイメージをお持ちの方が多いと思いますが、かように残酷なものだったのです。
合掌。
たぶんつづきます。
初めての家庭菜園 -肥料から植え付け-
今治の大島に来て、やってみたかったことのひとつの家庭菜園にチャレンジ中です。
最初のイメージでは、種や苗を植えて適当にに水やりをすれば、わさわさと実がなり、食費が浮く上に野菜メインの食事になり、痩せてイケメン且つ健康になるという感じでした。
ところがなんと、野菜を植える前にまずは土づくりからしないといけないというではありませんか。
しかしやるからには、きちんとやらないと実がならずただの徒労となってしまうので、地域の先輩方に教えていただきながらチャレンジです。
やってやろうじゃないですか。
前回、汗だくになりながら鍬を振り回して、土を耕しました。
次はですね、石灰とやらを撒くそうです。
なぜ石灰?
と思い調べてみるとどうやら土をアルカリ性にするらしいのです。
アルカリ性になると何が良いのかはよく分かりませんが、酸性よりは良さそうな気がするので、畑に振りかけてみました。
これで良いかと思いましたが、さすがに撒いて終わりという訳にもいかないなと考え直し、また狂ったように鍬で耕します。
今治に来るまでは運動だけは続けていたので、すっかり汗かき体質になっているので、ものの数分で汗だくになります。
いや。
ただ単に太ったからすぐに疲れて汗も大量にかくのでしょうか。
デブって辛いですね。
で、石灰を撒いて一週間ほどあけて、次は肥料を撒きます。
これがですね。
なんとですね。
”けいふん”
を使います。
分かります? けいふん。
え?
惜しい!
違いますよ。
けいふんは、KEI山宮さんが、2010年のパンクラスでキム・フン選手と戦った試合を略したものではありません。
いや、惜しくはないか。
けいふんは、鶏糞のことです。
にわとりの糞ですね。
前職で使っていた送迎車では、たびたびボンネットとかにカラスに糞を落とされ、呪いの言葉を吐きながら拭いていたものですが、鳥の種類が違うとはいえ、身を粉にして働いたお金で糞を購入する日が来るとは。
人生何が起こるか分かりません。
明日、貴女も鶏糞を買いに車を走らせているかもしれません。
■蝶ネクタイを着けたヒヨコが看板を持つポップなイラストが心憎いけいふん。
この鶏糞ですが、お米10kgの袋くらいの大きさでなんと、80円くらいです。
生産者(?)は、いくら元がタダとはいえ、大量の鶏の糞を集めて発酵させて袋に詰めて、いったいいくらになるのでしょうか。
すごい商売もあるものです。
で、この鶏糞を撒くのですが、さすがにもうこの文明社会にいつまでも鍬を振り回してなんていられないので、遂にマシンをお借りすることとなりました。
■手押しの耕運機。
なかなか難しいですが、人力の1万倍楽です。
文明万歳。
■更にこの耕運機を使うとざっとした畝まで作れます。
もう超楽です。
サイコーです。
周りに誰もいなかったら耕運機に頬ずりして抱きしめていたことでしょう。
さすがに耕運機をお借りした方などがいたので、頭がイカレてることがバレるので自粛しました。
そういえば、地域おこし協力隊で今治に来て、草刈り機、耕運機、チェーンソウなどいろいろなマシンを手にして作業をしました。
大日本プロレスの新木場1st RING大会で、チェーンソウを振り回すレザーフェイス(プロレスラー)に追いかけまわされて尻もちをついたことが思い出されますね。
で、いよいよ植え付けです。
近くのホームセンターに行って、苗を物色します。
夏野菜にはちょっと時期が遅くなってしまったので、以前に見た時より種類が減っていました。
残念。
購入したのは、4種類の野菜。
- 茄子…4つ(長ナス×1、皮が薄いナス×3)
- ピーマン…1つ
- オクラ…1つ
- ムーンライトとかいうメロン…1つ
トマトも買おうと思っていたのですが、なんと植えてあるトマトのわき芽というのを千切って土に植えるとそれが育つというので、既に畑でトマトを育てている方からわき芽をいただくことになりました。
感謝。
知ってます?
わき芽。
48年間も生きてきても、知らないことばかりですね。
が、このトマトのわき芽があのような惨状になろうとは…。
で、さっそく苗とわき芽を植えます。
トマト以外は苗なので、もうかなり育っている状態です。
超初心者の私でもきっと上手く育つことでしょう。
■茄子なんてもうすでに花が咲いています。
こんなの失敗しようがありませんね。
■ピーマンやらメロンも植えて、水をやりました。
因みにこの黒いビニールはマルチというそうですよ。
貴兄らも明日「マルチを張ろうかなー」等と同輩らに話してみると一気に畑やってる感が出て社内の噂になり、モテモテになりますよ。
無事にすべてを植え、ようやくひと段落です。
これで夏は野菜食べ放題ですね。
ところが、なんということでしょう。
翌日水やりに畑に来てみるとなんとトマトがほぼしなしなとダウンしているではありませんか。
■ホセ戦の後の矢吹丈のようになったトマト。
■この子に至っては完全にダメになってます。
私のトマト知識がゼロのために君を枯らしてしまったようです。
トマトの苗は、トマトの実が生ってこそトマトたるアイデンティティを保てるのであって、わき芽が枯れただけの君はトマトでさえない。
すまん。
トマトの半数以上は気の毒なことになってしまいましたが、他の野菜キッズ達は元気です。
しかし実はまだまだ野菜を植える畝のスペースは余っています。
しかしあまり同じ野菜ばかり作って、仮にたくさん生ったとしても一人では食べきることは出来ません。
なのでこの時期からでも、苗ではなく種から植えれる野菜を探してみることにして、枝豆をチョイス。
■ほぼ大豆。
こんなのが枝豆になるのでしょうか。
しかし袋の下から開ける性格の雑さがバレてしまいますね。
まぁ育たなかったら仕方ないですね。
所詮、ド素人の畑です。
■さっそく枝豆の種を植えてみました。
こんなのが育つのかと思っていましたが、なんとたったの2~3日ほどで芽が出てきたではありませんか!
私が汗だくになって耕した畑から芽が出たのです。
か、かわいい。
よもや48歳にもなって枝豆に萌える日がこようとは。
■なんてかわいいのでしょうか。
枝豆の悪口を言う奴は許しませんよ。
■しかし、この愛する枝豆の芽を無残に引きちぎる日が来ようとは…。
つづきます。
初めての家庭菜園 -土起こしー
■都会から島へ
どうも。
ときどきサランラップを二度三度と使いまわすことがあるほどセコいヒョードーです。
東京から今治の大島に来てから2ヵ月ほど経ちました。
生活はかなりというかめちゃくちゃ変わったので、色々と大変なこともありますが、そんなに違和感なく過ごせています。
■東京に住んでいた時の部屋の玄関からの眺め。
冬は富士山も見えます。
デビルマンのエンディングを思い出しますね。
え? 知らない?
知らない方はYouTubeで”デビルマン エンディング”で検索してください。
■部屋からの眺めも綺麗でした。
夜は窓が新宿方面だったので、かなり明るかったです。
今は夜に外に出ると街灯すらほぼ無く、漆黒の闇ですが、晴れていると星が綺麗です。
どちらも住めば都で一長一短ですが、住むところがどうというより、誰と何をして過ごすかが大事なのだなぁと感じます。
とはいえ、もともとこちらに知り合いはいない状態で来ているので、基本いつも一人で過ごしているのですが。
すみません。
ちょっと泣いてきます。
…失礼しました。
もう大丈夫です。
■初体験
今治に来て、東京に居た時には体験できなかったこともいろいろあります。
先日は新人の地域おこし協力隊としてラジオに出演してきました。
公共の電波で、訳の分からない48歳の小太り中年の話を聴かされた今治市民の皆さまには申し訳ない気持ちでいっぱいです。
今治市民の皆さまの「知らんがな」という声が聞こえてきそうですが、気づかないフリをして最後まで白目を剥きながらも自分のことを話しました。
■格好をつけてヘッドホンをつけていますが、ここだけの話、実際の収録時はこんなの使ってません。
写真用に着用させていただきました。
で、今治の大島に来て驚いたのが、スーパーに農家の方の持ち込みコーナーがあり、野菜が安いことです。
旬の野菜が安く売っているので助かります。
マジで。
新玉ねぎは二日に一回は食べているので、48年間の人生で恐らく一番血液がサラサラになっているのではないかと思います。
■スナップエンドウ70円也。安い。
■先日はグリーンピースが100円だったので豆ごはんにしてみました。
写真は炊きあがって混ぜる前ですね。
美味いのですが、塩をちょっと入れているので一緒に食べるおかずが難しいです。
■やってみたいリスト第二弾
以前ブログにて、今治に来てやってみたいリストを書きました。
- 料理
- 家庭菜園
- 釣り
■以前書いたのは、筍との死闘の回ですね。
で、今回は家庭菜園にチャレンジです。
とはいえ、現在住んでいるところに庭なんてないので、自転車で8分くらいのところにある畑の使っていない一部を少しお借りしています。
これを家庭菜園と言っていいのか、若干疑問ですが、まぁ良いでしょう。
「え? ヒョードーって格好いいだけでなく野菜も作れるの!? 超ステキ!」
と思った方がほとんどだと思いますが、私はですね、なんと野菜作りどころか土も碌に触ったこともないのですよ。
当然ながら虫も恐いです。
ダンゴムシの大群ごときで恐怖に慄いて、毎朝失禁しながら排除している私が果たしてウニョウニョと土から這い出てくる蟲共に冷静でいられるのでしょうか。
正直不安しかありませんが、やってみようではありませんか。
行動には成功か大成功しかないそうです。
■ちなみに今もまだダンゴムシの行進は続いています。
サイコーですね。
■畑に到着。
とてつもなく荒れていて、「こんなの無理だぜー!」とかブログで書きたいところですが、ちょっと荒れているだけ。
何だか残念。
■実戦
とにかくまずはカチカチに固まった土を耕すことから始めます。
「オラオラオラオラオラーッ!」
と心の中で叫びながらジョレンとかいう鍬を狂ったように振り下ろして土を耕していきます。
あかん。
想定の3倍の早さで腰に激痛が走りだしました。
少し耕しては休憩をするというシャア並みの早さでやってきたガラスの腰痛をごまかしながら何とか土を耕し続けます。
私のパリパリの亀田のえび薄焼きみたいな腰がダメになるのが先か、土を耕し切るのが先か、勝負です。
敵はカチコチに固まった土だけではありません。
雑草です。
雑草。
クソッ!
草め!
あんなに深くまで根を張る必要がありますか。
否!
そんな必要はない!
根め!
■腰痛だけではなく、普段の運動不足が祟ってあっという間に疲れが押し寄せてきます。
それでも汗だくになりながらも何とか耕しきりました。
やったぜオレ!
48年間で何ひとつ達成できたことなんてなかった私ですが、最後まで耕すことができました。
私を支えてくれたすべての方々に感謝です。
ありがとう、みんな!
その後、
「草が生えてても、手押しの耕運機で簡単に耕せるんだよ」
と教えてもらい卒倒しました。
つづきます。